というのも、竹田市は自然が豊かというだけでなく、市内には日本一炭酸ガスを含む炭酸泉で有名な長湯温泉があるからです。調べてみるとカルシウムやマグネシウムが非常に多い。疲れが取れるし、飲めば便秘や血管の老化防止にもなる。老後をのんびり過ごすにはうってつけです」
歌人の俵万智さん(49歳)は大阪府に生まれ、福井県で思春期を過ごし東京都で大学生活を送っている。卒業後は神奈川県で教鞭を執り、宮城県への移住を経て、現在は沖縄県で暮らす。
そんな、日本各地を住み歩いた俵さんが挙げたのは、以前過ごした仙台市だった。
「仙台市は、町の規模がほどよいのです。ジャズやクラシック、演劇など、これ以上規模が小さければ成立しないような催し事でも、仙台ならできる。しかも、東京のように並ばないとチケットが買えないとか、そういう混み具合にもならない。東北の恵まれた自然に囲まれつつも、東北一の都市なので、有名なお店も仙台に出店することが多く、モノ的な豊かさも享受できる。実際、他の土地から赴任してきて、老後の住まいに、仙台を選ぶ人も多いんです」
諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長の鎌田實氏(63歳)は、今回、「幸せに暮らせる町」を考えるにあたって、精神分析学者、ジークムント・フロイトによる「幸せ」の定義を思い浮かべたという。
「フロイトは19世紀末の混沌とした状況下で、人間が幸せに生きていくための最低条件として、『働く場所があること』と『愛する人がいること』の2点を挙げています。確かに仕事があり、家族やパートナーが傍にいるのは、人が生きていく上で非常に大切なことなんです」
チェルノブイリ原発事故発生以来、20年にわたり現地を訪れ、患者たちの治療に尽力している鎌田氏は現地で、先のフロイトの言葉を裏付けるような出来事を目にしていた。
「原発事故で、多くの人たちが住み慣れた場所から強制的に退去させられ、仕事や仲間を奪われました。その一方で、ごく少数ですが、断固として退去命令に従わず、以前と同じように汚染地域に住み続けていた人たちがいたのです。サマショーロ(わがままな人)、と言われていましたが、その後の調査で思いがけないことが判明しました。放射能の少ない都市に退去した人が案外早死にし、住み慣れた汚染地帯に居続けた人の方が長生きしているという例がいくつも見つかったのです」
鎌田氏は、退去した人たちの中に早死にする人が多かったのは、慣れぬ場所での暮らしになじめず、孤独な生活に強いストレスを受けていたためではないかと推測する。
「私は、人間の健康は仕事や収入、生活と密接に関係し、家族やパートナーの存在が大事だと思っています。つまり、人と人の絆を感じられる場所が、もっとも幸せに暮らせる場所なのでしょう」
そう語る鎌田氏が挙げた理想の町は、長野県茅野市だった。
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