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政府のコスト感覚の異常さ

2012年02月10日 08:18

山内康一

4次補正予算に「外国人看護師・介護福祉士候補者に対する日本語教育実施経費」として5億円が計上されています。

日・ベトナム経済連携協定に基づき、看護師と介護福祉士候補者を受け入れるために実施されるベトナムでの日本語研修の経費です。

この5億円を受け入れ人数で割ると、日本語研修の経費として、ひとり当たり年間300万円近くになります。

この300万円には研修中の生活費や講師の渡航費等も含まれ、妥当な金額だと玄葉外務大臣は主張されていました。

玄葉大臣は役所のメモを読み上げていたのだと思いますが、金銭感覚が麻痺しているとしか思えません。

ひとり当たりGDPが約1200ドル(年間)のベトナムで、ひとり当たり300万円も日本語研修にかけるのは無茶苦茶です。どういう計算をすれば、こんなに高くつくのか不思議です。

日本語教育は、基本的に当事者(本人や医療施設や介護施設)が、自らの経済的な負担でやるのが筋だと思います。多少は補助してもいいけれど、ひとり300万円はあり得ません。

外国人看護師の日本語教育にひとり300万円をかけるくらいなら、日本語ができる外国人で看護師や介護福祉士になりたい人に、奨学金を出したり、給与補てんを行った方がよいと思います。

例えば、東北の被災地には日本人と結婚したフィリピン人の女性が思った以上に大勢住んでいらっしゃいます。被災したフィリピン人女性が200人くらいいるそうです。

この人たちは、仕事がなくて困っています。もともと水産加工場等で働いていた人が多いそうです。そういう人たちに訪問介護員の資格をとってもらうために、トレーニングををやっているNPOがあります。

そこで訪問介護員のトレーニングを受けたフィリピン人女性は、まじめで土地勘もあり、言葉の問題も少なくて、お年寄りに優しく、介護の現場で高い評価を受けているそうです。ひとり当たりのトレーニング経費は、何十万円かですみます。300万円あれば、10人以上は訓練できるはずです。

大臣にしても、中央省庁の官僚にしても、コスト感覚が異常です。すぐに増税したがる官僚は、どこかのNPOに2年くらい出向し、社会的に価値のある仕事を安く上げる方法を学ぶべきです。

わかりやすく政局を解説する、みんなの党所属の衆議院議員。

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