巨額赤字が確実な日本の家電産業、起死回生は可能なのか?―香港メディア
2012年2月7日、在日中国人エンジニア、兪天任(ユー・ティエンレン)氏のコラム「日本の家電産業は起死回生できるのか?」が香港フェニックステレビ傘下のポータルサイト・鳳凰網に掲載された。以下はその内容。
【その他の写真】
2011年は日本企業にとって散々な1年だった。東日本大震災とその後の深刻な電力不足、タイの大洪水と災難が続き、彼らの生産能力に大きなダメージを与えた。だが、欧州の債務危機が世界中の市場を衰退させているこのご時世に悪いニュースは珍しくない。それでも、今回、日本の家電産業から聞こえてきたニュースは我々の想像をはるかに超えていた。
ソニー、シャープ、パナソニックの3大メーカーが2012年3月期連結決算の業績予想で、いずれも巨額の赤字が確実となった。その額はソニー2200億円、シャープ2900億円、パナソニックは過去最高の7800億円。こうした状況は2001年のITバブル崩壊を思い出させるが、当時とは大きな違いがある。
当時、日本の家電メーカーはシェアにしても、技術力にしても、世界のトップレベルに君臨していた。ところが、今はもうその勢いはない。韓国のサムスンに技術で追いつかれ、シェアでは完敗。もはや、日本の家電メーカー全体が「一流半」に陥落してしまった。事態は前回より深刻だ。日本メディアも「家電産業は生死の岐路に立たされている」と報じている。
日本には「失われた10年」という言い方があるが、家電産業がこれほど衰退した最大の原因は前回の危機に処理を誤ったこと。それまでどんなに苦境に立たされても耐え忍んできたやり方を一変させ、よりお手軽な「リストラ」へと走ってしまった。特に標的となったのは「高い給与に見合った働きをしていない」とされたベテラン社員たちだ。
ところが、こうした米国式の即効性のありそうなやり方は、実は製造業の首を絞めるものだった。米国の現状がそれを証明しているし、このやり方を採用した日本企業も結局は大した効果を得ていない。それどころか、簡単に従業員のクビを切った会社では会社全体の士気が下がり、本来の良さであった従業員と会社の間の連帯感も消え去った。
もう1つの大きな痛手は、ライバルの成長を手助けする結果になったこと。リストラで経費節約に成功し、若手社員のチャンスも増えたと喜ぶ日本企業を尻目に、彼らが手放した経験豊富な人材の多くは韓国企業に高給で迎えられた。そして今、あれほど「革新」と「創造」で世界をあっと言わせる製品を作り続けてきた日本の家電メーカーは、世界の最先端製品に部品を提供するだけの立場に成り下がってしまった。米アップル「i-Phone」の部品の6割以上は日本製が占める。
日本の家電産業はこうした苦境から脱することができるのか?残念なことに今のところ、その気配は全くない。その証拠にソニーの新CEOに就任した平井一夫氏について、もしかして皮肉なのか、どの日本メディアも「英語が堪能」としか伝えていない。だが、それも仕方がない。この新CEOは電子製品の開発や生産を指揮した経験が全くないのだから。(翻訳・編集/NN)
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2011年は日本企業にとって散々な1年だった。東日本大震災とその後の深刻な電力不足、タイの大洪水と災難が続き、彼らの生産能力に大きなダメージを与えた。だが、欧州の債務危機が世界中の市場を衰退させているこのご時世に悪いニュースは珍しくない。それでも、今回、日本の家電産業から聞こえてきたニュースは我々の想像をはるかに超えていた。
ソニー、シャープ、パナソニックの3大メーカーが2012年3月期連結決算の業績予想で、いずれも巨額の赤字が確実となった。その額はソニー2200億円、シャープ2900億円、パナソニックは過去最高の7800億円。こうした状況は2001年のITバブル崩壊を思い出させるが、当時とは大きな違いがある。
当時、日本の家電メーカーはシェアにしても、技術力にしても、世界のトップレベルに君臨していた。ところが、今はもうその勢いはない。韓国のサムスンに技術で追いつかれ、シェアでは完敗。もはや、日本の家電メーカー全体が「一流半」に陥落してしまった。事態は前回より深刻だ。日本メディアも「家電産業は生死の岐路に立たされている」と報じている。
日本には「失われた10年」という言い方があるが、家電産業がこれほど衰退した最大の原因は前回の危機に処理を誤ったこと。それまでどんなに苦境に立たされても耐え忍んできたやり方を一変させ、よりお手軽な「リストラ」へと走ってしまった。特に標的となったのは「高い給与に見合った働きをしていない」とされたベテラン社員たちだ。
ところが、こうした米国式の即効性のありそうなやり方は、実は製造業の首を絞めるものだった。米国の現状がそれを証明しているし、このやり方を採用した日本企業も結局は大した効果を得ていない。それどころか、簡単に従業員のクビを切った会社では会社全体の士気が下がり、本来の良さであった従業員と会社の間の連帯感も消え去った。
もう1つの大きな痛手は、ライバルの成長を手助けする結果になったこと。リストラで経費節約に成功し、若手社員のチャンスも増えたと喜ぶ日本企業を尻目に、彼らが手放した経験豊富な人材の多くは韓国企業に高給で迎えられた。そして今、あれほど「革新」と「創造」で世界をあっと言わせる製品を作り続けてきた日本の家電メーカーは、世界の最先端製品に部品を提供するだけの立場に成り下がってしまった。米アップル「i-Phone」の部品の6割以上は日本製が占める。
日本の家電産業はこうした苦境から脱することができるのか?残念なことに今のところ、その気配は全くない。その証拠にソニーの新CEOに就任した平井一夫氏について、もしかして皮肉なのか、どの日本メディアも「英語が堪能」としか伝えていない。だが、それも仕方がない。この新CEOは電子製品の開発や生産を指揮した経験が全くないのだから。(翻訳・編集/NN)
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