ビール大手4社の2011年12月期決算が10日、出そろった。売上高はキリンホールディングス(HD)、アサヒグループHDの2社が前年割れし、純利益はキリン、サッポロHDの2社が前年を下回った。3社は、東日本大震災での工場の被災が響いた。12年12月期は4社とも増収の予想で、人気が高いカクテルやチューハイの販売や、海外事業に力を入れる計画だ。
震災では、キリン、サッポロが宮城県、アサヒが福島県の工場の被害が大きく、一時的に操業停止に追い込まれた。さらに一時的な輸送費の高騰などもあり、キリンは198億円、アサヒは179億円、サントリーHDが65億円、サッポロは54億円の特別損失の計上を迫られた。
一方、12年は各社とも強気の計画。特に熱い視線を注ぐのが、ハイボールやマッコリを含めた手軽に飲めるカクテル・チューハイ市場だ。「チューハイの『氷結』のカテゴリーが伸びてきている。(カクテル・チューハイ市場は)伸び盛りのジャンルだ」。10日、決算を発表したキリンの三宅占二社長はこう強調した。12年は、この分野の販売数量を、前年より14%伸ばす強気の計画だ。