ケイ・オプティコムと児童ポルノ拡散防止に向けて協定を締結した県警生活安全部の町元部長(右)=県警本部で
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「女の子の一生消えない心の傷を減らしたい」。9日に民間プロバイダー会社と連携して、児童ポルノ画像の拡散防止に乗り出した県警。全国初の取り組みの裏に被害者を思いやる「捜査の原点」があった。
県警はネット上のパトロールで、わいせつ画像を流出させた提供者の取り締まりをする一方、画像が不特定多数に閲覧できる状態になっていることに頭を抱えていた。
ネットにあふれるわいせつ画像全体のうち、提供者によるものが1割であるのに対し、閲覧できる状態にしている利用者は9割に上る。児童ポルノを取り締まる少年課の捜査員らは昨年夏、プロバイダー「ケイ・オプティコム」(大阪)に警告で違法性を告げる方法を考え、画像拡散を防止する話し合いを始めた。
「被害者のことを考えると当然。安心安全のネット環境に努める社会的責任がある」。ケイ・オプティコムは県警の提案を快諾し、お客様サポートセンター所長の前田孝浩さんが9日の協定締結式に臨んだ。
締結式で、生活安全部の町元通憲部長は「画期的で先進事例になる。児童ポルノの絶無につなげたい」と表情を引き締め、少年課の藤森稔課長も「被害者の女の子は一生の傷を背負う。徹底的に取り締まらなければならない」と意気込んだ。
県警でも、ファイル共有ソフトを使った取り締まりは2011年は8件で、10年の1件と比べて急増している。 (木原育子)
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