「神奈川県土砂適正処理に関する条例」に違反した大林組 違反の発覚は、「鷺沼地域の住環境を守る会」の会員が、「鷺沼ヴァンガートンヒルズ」の工事現場出入り車輌が、事業者が提出した予定表の予定台数より、大幅に多いのではないかという疑問を抱き、2003(平成15)年3月と4月に車輌出入り台数をチェックしたことに端を発するものでした。 調査を始めた初日には、午前中には1時間当たり、約20台あまりの工事車輌の出入りがあったが、午後からは総量で、4台の出入りがしかありませんでした。総台数を合わせるため、午後の車輛出入りを押さえたとしか考えられない状況でしたが、その「計画台数」の欺瞞とは別に、その工事車輌が搬出していた土砂の搬送先に対する疑問が生じたのです。 「守る会」では土砂の搬出の監督機関である「神奈川県川崎治水事務所」に、「大林組が事前に出した搬出先の届け」の情報公開を求めました。その情報公開の資料によると、届け出がなされた土砂の搬出先は、町田市、市原市、館山市の3ヶ所のみ。比較的遠隔地ばかりです(この情報公開資料は「守る会」で有しております)。 しかし、「守る会」の上記の車輛調査によって明らかになったことは、ほとんど同じ車輛番号の車が、1時間に1回、土砂を搬出しており、上記のような遠隔地では1時間以内に土砂を捨て、また土砂をつんで搬出することは不可能と確信したので、事業者に対して、同2003年7月に搬出先に疑念があると質問をだし回答を求めました。 約2ヶ月後、「大林組」は先に述べた搬出先とは別のリストを川崎治水事務所にあわてて提出しました。そのリストでは先に届けた搬出先にはない、無届の搬出先が11ヶ所も記されていました(その多くは有馬など、計画地の近隣区域ばかりでした)。大林組は、鷺沼ヴァンガートンヒルズ計画地から出た土砂を無届けで、そしらぬ顔で廃棄していたわけです。これは明らかに「神奈川県土砂適正処理に関する条例」に対する違反行為です。神奈川県土整備部技術管理課も「これは条例に違背したものである」と文書にて認定しました。 「守る会」は治水事務所に対して、条例に違反した行為を行った「大林組」を処分するよう申し出ましたが、治水事務所及び、神奈川県土整備部技術管理課は「そこまではしない」と否定的な回答をよこしました。 明らかな「条例違反」であっても、行政は「後からしかるべき届け出訂正をすればそれでよい」として処分を行わない。事業者には甘い態度で臨み、実質的には、条例を行政自らないがしろにしている行政の姿勢が伺えます。この件については、条例違反者である大林組について告発ができないか、もよりの警察署に相談中です。 |
|