事業者のいきなりの工事中止宣言で
現地検証が中止になった3月3日、
混乱した「裁判の進行」について話し合うべく
東京地方裁判所にて協議が行われました。

2004年3月3日(水)に予定されていた裁判官による現場検証は、事業者が前週の金曜に(裁判所への事前通告もなく)いきなり「工事中止宣言」を発し、それに伴って「工事中止を理由に現場検証中止の申し立て」を出してきたため、取りやめざるを得ないこととなりました。

この急な事態に対して裁判の進行を今後どうするか協議するため、検証が行われなくなった3月3日、原告(住民側)と被告(事業者側)が東京地裁に呼び出され、急きょ話し合いをすることとなりました。

話し合いは地裁の事務室で、原告、被告が別々に裁判官に面会して話をするという形で進められました。話をした内容は「裁判の終わらせ方について」です。

この日の話で、2つの“問題点”が明らかになりました。


1点目は、現場検証実施まで1週間もない差し迫った時期に、突如撤回を申し入れた事業者の所作についてです。

原告である住民側はこの検証のために各方面へ連絡を取り、多くの準備作業を進めてきました。そして直前の撤回に、今度は中止を急きょ全ての関係者に連絡を回さなければならないなど、大いなる迷惑を被ったものです。住民側は協議の行われた室内でこれは司法の場における社会常識を欠いた非常識きわまる振る舞いであると被告事業者側の姿勢に大いに疑問を呈し、その場にいた裁判官も同感の意思を示しました。もともと非常識な相手であることは承知していたつもりでしたが、こうした司法の場においてもこのような立ち振る舞いをするとは…と、住民側一同つくづく呆れ果てた次第です。


2点目は「裁判の終わらせ方」の手続き自体に関することです。

そもそも原告が訴状で求めた内容は「この建築物の高さを、川崎市が定めた高度地区の制限通りに15m以下にせよ」という要求でした。要求の対象である建築物が“建築中止”になった現時点において、この裁判は終わらせなくてはならないことになります。

その終わらせ方については2通りの方法があるようです。一つは「原告が取り下げ文を提出して、裁判を【取り下げる】こと」。もう一つは「取り下げはせず、裁判官に判決文を書いてもらって【裁判を結審する】こと」。後者の場合には、訴訟の対象である建築計画が裁判途中で中止となったため請求棄却ということになるそうです。

そのどちらにするかで話し合いをしたわけですが、そこで被告である事業者側がまったくもって奇妙な主張を繰り広げ、この日は結論を出すことができなくなってしまいました。(この被告の主張については、今はまだ当HPでは記しません。次回にご報告いたします)

次回は、2004323日(火)午後2時30分〜 東京地裁537号ラウンド法廷にて となりました。
 この3月23日で本訴訟は終結の予定です。



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