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「体罰」場合によってはOK? 橋下氏ら問題提起

2012年2月6日

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 大阪維新の会(代表・橋下徹大阪市長)が府議会に提出した教育基本条例案に「(教員は)教育上必要があるときは、必要最小限の有形力を行使して児童生徒に懲戒を加えることができる」という条項がある。体罰批判を恐れるあまり、必要な指導ができなくなっているとの問題意識があるのだという。殴る、けるなどの行為とは区別するため「体罰は加えることができない」とも加えた。だがその線引きをめぐり、現場では長く論争が続いてきた。

 有形力とは目に見える物理的な力のこと。条例案作りにかかわった維新の会の横山英幸府議(30)によると、暴れる生徒を羽交い締めにして押さえるなどの行為を想定。体罰とは明確に区別しているという。

 橋下氏は1月30日、保護者が学校運営にかかわる仕組みをつくり、有形力の行使を認めるかは学校ごとに判断できるようにしたいと話した。「保護者との信頼関係の中で、宿題を忘れたら立たせるぐらいいいじゃないかという学校もありますよ」

 学校教育法は体罰を禁じているが、指導との線引きは難しく解釈が分かれてきた。文部科学省は2007年、線引きの基準となる指導方針を通知。体罰にあたるかは、前後の経緯や子どもの心身の状況などを総合的にみて判断するとし、有形力の行使は「一切が体罰として許されないものではない」と位置づけた。

 学校現場では保護者のクレームの増加もあり、体に触れることには慎重になっている。50代の男性中学教諭は「遠回りでも言葉でさとすのが最良だという意識が定着してきた。政治が困難な現場に目を向けてくれたことはうれしいが、体罰容認と取られ、力に頼らぬ指導が混乱する可能性もある」と心配する。

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