2005年11月16日(水)、
鷺沼ヴァンガートンヒルズ跡地
(=元・サレジオ学院跡地)
の開発について、近隣住民の視点で考えた「住民案」を
事業者・東急電鉄(株)に提出しました。

提出したのは、この土地の利用についての要望をまとめた「要望書」と
開発プランを具体的な図面におとしこんだ「住民設計案」。
いずれも「守る会」の依頼を受けてくださった建築士さんのご協力を得て、
慎重に検討を重ね、“素人の机上の空論”にならないよう
苦心をして作成したものです。

「守る会」では商業施設や公共施設、住宅などあらゆる開発計画の可能性について検討し、
用途地域による制約や、行政・事業者が抱える現実なども鑑みたうえで、
「この土地には上質で適正な規模の集合住宅を築いて街並みを整えていくことが望ましい」
という結論に到達し、今回の住民案作成にいたりました。

当日は、鷺沼4丁目の事業者現場事務所にて、「守る会」代表ら3名と建築士、
そして東急電鉄(株)住宅事業部から3名の出席を得て、
この「住民案」の提示を行いました。

事業者側はこの「住民案」に対して、どのような対応ができるかについては
(まだ土壌汚染対策も完了していない段階であることも含めて)、
まだ詳しい返答はできないし、
いつ頃どのような返答ができるかも定かにできない、
としながらも、住民案を受け取りました。

また、「住民がこうした働きかけを事業者に対して行っていること」を行政にも認識してもらうため、続く2005年11月24日(木)に、「守る会」代表ら4名が川崎市庁へ出向き、
  ●川崎市まちづくり局の調整課、
  ●     〃    開発指導課、
  ●     〃    建築指導課、
  ●     〃    建築審査課、
  ●     〃    景観まちづくり支援課、
の各課(=事業者が改めてこの土地の開発に着手する際に、必ず関わりを持つ部署)の職員5人に一堂に集まっていただき、東急電鉄に提出した「要望書」と「住民設計案」を手渡して経緯を説明しました。

この説明のなかで、「守る会」は、川崎市にこうした事実を把握してもらったうえで、今後この土地に係る問題について協力をいただくよう強く要請してきました。

以下に、その「住民案」の内容を掲載します。


住民が作成し事業者に提出した「設計案」
 

上記案をもとに作成した立体模型


この設計案は、提出した「要望書」の中で最重要項目として掲げた次の6項目を基調として「守る会」メンバーと建築士が協議を重ね、建築計画として実現可能な設計内容としたものです。【東急不動産ら前事業者が計画した鷺沼ヴァンガートンヒルズの姿(これ)と比べてみてください】

〈住民要望 最重要6項目〉

1) 大小2面の敷地(=A,B敷地)合わせて280戸程度の適正な規模とすること。
2) 敷地の高低差を利用した断面計画とし、建物の高さはすべて用途地域の制限高である15m以内に押さえること。
3) 市道鷺沼12号線沿いの建物は境界線より9.5m以上セットバックさせ、連続する壁面による圧迫感を低減させる為に、建物を高木で隠し、プライバシーを確保すること。
4) 市道鷺沼12号線沿いは3階建てまでの低層とし鷺沼4丁目の街並みと調和させること。
5) 近隣地域への日影影響を考えた配棟計画とすること。
6) 高台である計画地付近での風害を防ぐため1棟1棟を小規模に配棟すること。

※なお、「要望書」のなかでは上記6項目の他、約30項目にわたって、住民からの要望および提案を記してあります。

「設計案」の市道鷺沼12号線(前面の道路)からの景観イメージ



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