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裁判事例建物の不同沈下と売主等の責任

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裁判事例建物の不同沈下と売主等の責任

横浜地裁判決　平成11年8月5日（判例集未登載）

《要旨》
　設計施工の過失により土地の不同沈下、建物の亀裂が生じ、売主業者には瑕疵担保責任、施工業者には保証債務の不履行、設計者には不法行為責任があるとされた事例

(１)　事案の概要

　買主Ｘは、平成元年2月、媒介業者Ｙ3の媒介で、売主業者Ｙ1から、土地建物を7,300万円で買い受けた。本件契約上、瑕疵担保責任の存続期間は、引渡しの日から２年とされており、本件契約の際、建築業者Ｙ2は、本件建物の構造耐力性能等を10年間保証する旨の保証書をＸに交付した。

　本件物件は、Ｙ4の設計監理により、Ｙ2が傾斜地を切土して、擁壁を設け、Ｈ型鋼杭を打ち、盛土をしたものであった。しかし、Ｙ4は、本件設計にあたり、擁壁にかかる杭の荷量を拡散する措置を講ぜず、また、布基礎のコンクリートの強度について、適切な指示をしなかった。Ｙ2は、盛土部分をある程度締め固めたが、土地全体の転圧や、一定期間養生して土壌を安定させることはせず、盛土にガラを混入させていた。このため、本件建物は、不同沈下を来たし、基礎、壁等に多数の亀裂等を生じた。

　Ｘは、引渡しから１年以内にＹ1に修補を求め、平成７年、Ｙ2にも保証を求めたが、Ｙらは修補に応じなかった。Ｘは、平成9年、Ｙ1に対し瑕疵担保責任等に基づき、Ｙ2に対し保証責任等に基づき、Ｙ3に対し債務不履行責任、不法行為責任に基づき、Ｙ4に対し不法行為責任に基づき、1,296万円の損害賠償を求めた。

(２)　判決の要旨

①本件建物には、不同沈下があって、基礎、壁等に多数の亀裂等を生じ、不具合がある。
　
②Ｙ1については、本件不具合は隠れた瑕疵であり、Ｘは引渡し後１年以内に修補請求をしているから瑕疵担保責任を負う。
　
③Ｙ2については、使用上の不都合を生じる程度の沈下等について2年間にわたり保証する旨の約束をしているから、同保証債務の不履行がある。
　
④宅地建物取引主任者は宅地造成・建物の構造等については専門家ではなく、Ｙ3については、宅地造成、建物の構造等を、確認証、工事検査済証等により適切に施工されたことを確認すれば、一応の義務を尽くしたというべきであり、地耐力等を独自に調査すべき注意義務はない。
　
⑤Ｙ4については、本件設計にあたり、荷重の拡散をせず、擁壁支持の杭と、地山支持の杭を混在させ、布基礎のコンクリートの強度について、適切な指示をしなかった点、注意義務違反があり、不法行為が成立する。
　
⑥Ｘの損害は、建物修繕費用1,008万円、調査鑑定費用46万円余、弁護士費用100万円である。Ｙ1は1,008万円、Ｙ2は1,054万円余、Ｙ4は1,154万円余を連帯して支払え。

(３)　まとめ

　地盤沈下については、前掲のほか、売主業者の瑕疵担保責任を認めたものに、東京地判平成6年9月8日、不法行為責任を認めたものに、神戸地判昭和58年12月6日、債務不履行責任を認めたものに、神戸地判昭和61年9月3日などがある。

http://www.retio.jp/cgi-bin/example_display.cgi?number=72

コメント（5）

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小鳥が丘団地の土壌汚染被害者である私たちは、まず民事訴訟の損害賠償で決着をつける覚悟を固めました。

私たちが期待する結果になれば、土壌汚染問題の議論が一歩前進すると思います。

その結果を得て、小鳥が丘団地住民全体で運動を起こし、多くの理解者に後押しして頂きながら再度、各省庁・官庁に働きかけをしなければ、人や生き物が安心して暮らせる生物多様性住宅地に改良できないと考えています。

2010/2/27(土) 午前 11:34 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]

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両備ホールデング相手に土壌汚染裁判を戦っている小鳥が丘土壌汚染第１次訴訟団が、２０１０年６月２２日に不条理な「小鳥が丘土壌汚染問題」を環境省に説明しました。

（環境省職員）
岡山県や岡山市には再度状況を聞いてみる。

（環境省職員）
自分なら住もうとは思はない。

（環境省職員）
一般住民のマイホームでこのような土壌汚染問題で紛争になるのは想定外であった。
担当者の一存では回答できないので、上司に報告、相談する。

2010/6/29(火) 午後 10:39 [ 清冽な地下水と公徳心を護る ]

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両備バスが分譲した小鳥が丘住宅団地の不条理な土壌汚染事件を産経新聞グループ（ZAKUZAKU）も取り上げましたね。

小鳥が丘住宅地の住民の方には心よりお見舞い申し上げます。

土壌汚染のある一戸建て住宅は資産価値どころか売るに売れない、税金は払わなければならない、つまり将来に渡るマイナス資産なんですね。

不条理な土壌汚染問題で住民と両備ホールディングが戦っています。岡山市や岡山県さらに、環境省の不作為は国家賠償法により損害賠償に値すると思います。

インターネットで多くの情報を公開していますので、マイホームの購入する計画のある方は不条理な土壌汚染犯罪に巻き込まれ無いように見ておいた良いと思います。

住宅ローンと土壌・地下水汚染と家族の病気と売れない不動産の固定資産税と買主と売主の子孫の代に渡るまでの恨み等が残ることでしょう。
両備がたとえ裁判で勝って住民をねじ伏せても、住民は両備の経営者やその家族に対して孫末代まで恨みを抱くことでしょう。
泣いている親の姿を見た子供のマイホームの恨みとはそう言うもんだと思います。

夢のマイホームが悪夢の

2010/7/11(日) 午後 4:51 [ 災害復興に有資格者の叡智を結集 ]

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ATC土壌汚染対策法8周年セミナ-

日時
2011年2月17日（木） 13:30～17:15

プログラム
講演：土壌土地の評価・取引・有効活用ビジネスについて
講師：(株)不動産鑑定士足立良夫事務所代表取締役不動産鑑定士足立良夫氏

講演：豊洲市場移転に伴う土壌汚染対策について
講師：土壌第三者評価委員会事務局長八木綾子氏

講演：岡山市小鳥が丘住宅団地の土壌汚染裁判の論点と問題点の現状
講師：河田法律事務所弁護士河田英正氏

講演：これから生き抜く・勝ち抜く土壌対策ビジネス企業
講師：(株)船井総合研究所第一経営支援部環境ビジネスコンサルティンググループ小川宏明氏

開催場所
おおさかＡＴＣグリーンエコプラザ
大阪市住之江区南港北2-1-10

参加費
無料

研究部会
セミナー終了後にＡＴＣグリーンエコプラザビジネス交流会水・土壌汚染研究部会の会合を開催します。
参考書籍新刊『深刻化する土壌汚染』紹介他

2010/12/23(木) 午後 4:37 [ 日本の竹島の歴史を学ぶ ]

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土壌汚染対策法に基づく指定支援法人である日本環境協会で、基金を支出したのは2件にとどまっています。
一方で、岡山で両備が販売した小鳥が丘住宅団地では、住宅を買った住民が地元の名門企業である両備を相手に苦しい裁判を闘っています。

また、神栖では汚染地下水による先天性障害児問題を含む公害調停が行われています。

日本環境協会の活動は目立ちませんね、土壌汚染対策法に基づかない支援団体が日本に出現することが望まれます。

基金を作って、調査し、対策し、かかった費用は汚染原因者から金利を付けていただき、もらえなかったら保険でカバーするような公益団体の出現を社会が必要としていると思います。

2011/1/20(木) 午前 4:27 [ 竹島の日2月22日は松江で集会 ]

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2010/8/19(木) 午前 6:34 [ ATCグリーン汚染地利用＆環境不動産ノート ]