インフルエンザの流行は関東地方などを中心にさらに拡大し、今月5日までの1週間に全国の医療機関を受診した患者は推計で211万人に上ることが、国立感染症研究所の調査で分かりました。
患者数は、3年前の当時の新型インフルエンザのピーク時を上回っています。
国立感染症研究所が都道府県からの報告を基に推計したところ、今月5日までの1週間に各地の医療機関を受診したインフルエンザの患者は前の週よりも38万人増え、全国で211万人に上るとみられることが分かりました。
1週間の患者数が200万人を超えたのは、平成18年に推計値の公表を始めてから初めてで、3年前の11月に当時の新型インフルエンザの流行のピーク時に記録した189万人を上回りました。
流行状況を示す1つの医療機関当たりの患者の数は42.62人で、都道府県別では▽福井県が64.41人▽岩手県が58.98人▽石川県が55.65人などとなっています。
関東地方や九州地方での増加が目立ち、岩手県と東京都、それに大阪府では過去10年で最悪となっています。
一方で、流行の始まりが早かった愛知県や岐阜県など11の県で減少に転じました。
流行の中心は引き続き14歳以下の子どもですが、このうち0歳から4歳までが32万人で増加が目立っています。
国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「小学校や中学校で始まった流行が幼い子どもにも広がっている。A香港型のウイルスが大きな流行を起こしたときには、脳症を起こす子どもが多く報告されていることから、幼い子どが発症したときは2日間はなるべく目を離さず、“ぐったりしている”“異常な行動をする”“意識がもうろうとしている”といった症状に気づいたら、速やかに医療機関の診察を受けさせてほしい」と注意を呼びかけています。
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