身ぶり手ぶりを交えて闘莉王(右)に指示を出すストイコビッチ監督=実相寺サッカー競技場で(今泉慶太撮影)
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名古屋グランパスは9日、大分県別府市に移動し、13日間のキャンプをスタートさせた。U−23日本代表FW永井もチームに初合流し、卒業試験中の新人MF田鍋を除く28人が参加した。キャンプインはJ1の18クラブで最も遅く、公式戦初戦は他チームより早いが、ドラガン・ストイコビッチ監督(46)は“量より質”の練習方針を強調。約1時間半と短い練習後、短期間でのチーム熟成に自信を見せた。
さあキャンプインだ。1年間戦う体力をつけるために、みっちり走らせて、選手を追い込むぞ!!…なんて、他のクラブと同じようなことはしない。それがピクシー流だ。寒風吹きすさぶ別府の丘の上。ウオームアップも約15分とそこそこに、早速今季から取り組む3バックの練習が始まった。
J40クラブで最も遅い始動。すでに3月7日のACLの初戦まで1カ月を切っている。それでも指揮官は、準備期間の短さを指摘した報道陣を笑い飛ばした。
「1カ月もあれば十分な時間だろう? 昨シーズンがとても長かったから、休みはしっかり取らせたかった。他のチームは、うちより練習する時間が必要なのだろう。短くてもクオリティーの高い練習をする。それが私の好きなやり方だ」
確かに、選手たちは自主トレで個々に状態を整えてきており、基本戦術はこの4年間でチームに浸透。新加入選手6人も戦術を大きく変えるタイプではない。3バックの習得に初日から時間を割くのは、効率的なやり方とも言える。
昨年はキャンプ前から故障者が続出し、初日は21人だけ。これが開幕ダッシュ失敗につながり、勝ち点1差で優勝を逃す要因となった。それだけに、寒さの中で筋肉に負荷をかけ故障者を生むリスクを避けたいところ。「私は選手を殺したくない」と、万全の布陣で開幕を迎えることを最優先事項とした。
目指すスタイルに合った準備をすればいい。技術と戦術が洗練されていれば、90分間全力疾走する必要はない。「結果はみなさん見てください」と、自信満々に語った指揮官。正解はJ1リーグ最終節の12月1日に出る。
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