パナソニックは10日、VHS方式の家庭用ビデオレコーダーについて、国内向け製品の生産を昨年末で終えたことを明らかにした。DVDなどとの一体型の生産を続けていたが、現在流通している商品がなくなり次第、店頭から姿を消す。
DVDの普及や地上デジタル放送への移行で、今後の需要が見込めないと判断した。海外向け製品の生産は続けるが、国内では1977年の発売開始から約35年の歴史に幕を閉じることになる。
シャープなど他の大手も、VHS方式の国内販売からすでに撤退。主力メーカーだったパナソニックの生産終了は、同方式が役割を終えつつあることを象徴している。
VHS方式の製品は、パナソニックの子会社だった日本ビクターが76年に発売。ソニーのベータ方式との激しい争いを制して、家庭用の世界標準規格となった。
パナソニックはDVDの普及後も、VHSテープに録画した映像をDVDなどにダビングする需要があるため、一体型の販売を続けていた。ただ、地上デジタル放送をそのままの高画質で録画できないこともあり、需要は減少していた。(共同)