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主張今冬の電力需給 節電目標の具体化急げ

公明新聞:2011年10月17日付

ひっ迫で被災地復興を妨げるな

本格化する寒さを前に、今冬の節電に対する関心が高まっている。

東日本大震災による東京電力福島第1原発事故と相次ぐ各原発の稼働停止を原因とする電力不足は今なお続く。電力供給の劇的な改善は望めず、今夏に続き今冬も電力需要に対処するための節電が避けられない。

今夏の節電対策では政府が東京・東北電力管内へ15%の節電を求めたほか、関西電力管内へも10%以上の節電を呼び掛けるといった取り組みが重ねられてきた。

今夏の最大電力消費は昨夏のピーク時と比べて東京電力で18%、東北電力で15.8%、関西電力で11.3%の減少となった。この結果は家庭の小まめな節電に加え、企業の生産シフト変更やサマータイム導入など、社会が結束することで得られた成果である。

日本自動車工業会の志賀会長は今夏の節電を振り返り、「休日シフトが多くの関係者の多大な負担の上に成り立っていた」と強調した。政府と電力各社は、今夏の節電の背景にこうした努力があったことを忘れてはならない。

その意味から、政府と電力各社は今冬の電力の需給見通しを確定させ、早期に国民に需要抑制目標を示すべきだ。

節電の実効力を上げるためには、社会全体で目標を共有することが欠かせない。今夏の関西では政府や関西電力、関西広域連合が異なる節電目標を設定したため、家庭や企業、自治体が混乱した。その苦い経験からも明らかだ。

また、冬場は朝から夕方まで電力需要の高い状態が続き、夏場のように猛暑時だけ電力需要が高まる訳ではない。それだけに、節電の取り組み方もおのずと異なってくる。早期の目標提示は重要だ。

政府は7月末、今冬の電力需要に対する供給力の余裕を示す予備率として、関西電力でマイナス8.4%、東北電力で同7.3%などと推計し、電力需給のひっ迫した状況が今冬も続くと見込んでいる。

さらに、東北電力は北海道電力から30万キロワットの融電を受けることなどで今夏を乗り切ったが、冬場は北海道電力が電力需要の最盛期を迎えるだけに今夏のような融電が受けられない可能性もある。

電力需給は経済活動に与える影響も大きい。特に、今は復興を本格化させなければならない時期だけに、電力需給のひっ迫が被災地復興の妨げとなってはならない。

政府と電力各社は電力需給の改善に手だてを尽くし、電力の安定供給という責任を果たすべきだ。

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