韓国の市中銀行は9日、一斉に2011年12月期決算を発表し、軒並み過去最高の利益を上げたことが分かった。
新韓銀行は純利益が前期比27%増の2兆1184億ウォン(約1460億円)で、過去最高を記録した。これまで最高だった2007年(2兆513億ウォン)を上回った。国民銀行も2兆456億ウォン(約1410億円)の純利益を上げ、持ち株会社制に移行する以前の07年(2兆7738億ウォン)に次ぐ高収益を上げた。
ハナ銀行は20%増の1兆2118億ウォン(約840億円)の純利益を上げ、過去最高益を更新した。来週決算を発表するウリ銀行は2兆1000億ウォン(約1450億円)、企業銀行は1兆5000億ウォン(約1030億円)の純利益を予想している。昨年第3四半期までに1兆5000億ウォン(約900億円)近い純利益を上げた外換銀行を含め、主要銀行6行が純利益1兆ウォン(約690億円)を達成する見通しだ。
昨年は債権団主導による企業再建(ワークアウト)で、現代建設の株式を保有していた債権銀行が株式を現代自動車グループに売却する過程で、4兆ウォン(約2760億円)を超える特別利益が出た。現代建設株売却による銀行別の売却益は、ウリ銀行が9600億ウォン(約660億円)、国民銀行が4100億ウォン(約280億円)、新韓銀行が3500億ウォン(約240億円)などとなっている。
また、世界的な金融危機以降、貸倒引当金を計上し、不良債権を一掃したため、銀行の収益性が改善した側面もある。
ただし、銀行の大幅増益は、貸出金利を引き上げる一方で、預金金利を引き下げ、安易に利益を上げたためとの批判も少なくない。銀行の預貸金利差は2009年の2.68%から昨年には2.96%に拡大した。