著者:田坂 広志
なぜ、我々は「複雑な問題」を解決できないのか。(中略)それはどれほど巨大で複雑な問題も、それを小さな部分に「分割」し、それぞれを詳細に「分析」し、最後にそれを「総合」すれば、必ず解決策が見つかる・・・我々がそう信じ込んでいるからである。
物事が複雑になっていくと、「新たな性質」を獲得する。それはあたかも「生き物」のような振る舞いである。生きた魚を「解剖」すると「生命」が失われてしまうように、複雑なものを「分割」し、「分析」すると、新たに獲得された「生命的な性質」が消えてしまう。すなわち、企業や市場や社会のシステムは、それが複雑になると、必ず「生命的システム」としての挙動をし始める。それにもかかわらず、我々は「複雑なシステム」に直面すると、それをあたかも「巨大な機械」のように捉え、それを「分解」し、「調査」「分析」すればその機械全体を「理解」し、意のままに自由に「操作」できると、誤解してきた。
では、そうすればよいか。それは、「まず、世界観を変えよ。」ということである。
◆「分析」と「総合」を超える「身体性の知」
◆「分析」と「総合」という要素還元主義の手法を超える「洞察」という古典的な手法の復活
◆「非言語の知」を伝える三つの方法(否定法、隠喩法、指示法)
◆情報「共有」ではなく「共鳴」を生み出せ〜イリヤ・プリゴジンの「散逸構造理論」
◆企業変化に求められる「二つの能力」(専門的能力、提携能力)
◆遠くない将来、アントレプレナーシップ(entreprenership/起業家精神)とボランティアシップが同じ響きで語られる日が来る
◆日本型イントラプレナー(社会起業家)のビジョン
イントラプレナーに求められる能力
①次にやってくるニーズを深く読む
②ニーズに応える商品とサービスのビジョンを描く
③自社にない「強み」を持つ他企業を見つけ出す
④他企業と戦略的提携を結ぶ
⑤ベスト・オブ・エブリシングの仮想企業体を結成
⑥次の市場ニーズに応える「パッケージ商品」や「総合サービス」を開発・提供する
⑦新しい事業を創出する
◆「部分」と「全体」の「共進化※」のプロセスは、自然界だけでなく、社会や市場においても見いだされる。
◆世界を「構造」と見るか「プロセス」と見るかの相違
◆哲学者たちは、これまで「世界」を「解釈」してきたに過ぎない。
◆「進化のプロセス」も「進化」する
◆多様性の大切さ
◆一回性の知
◆「ビジョン」と「設計図」の違い
◆「複雑系」とは、還元主義的な方法では研究できない対象を総称した言葉である。
◆東洋思想への「知の回帰」
◆『論理哲学論考』におけるルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉
我々は「言葉」にて語り得るものを語り尽くしたとき、「言葉」にて語り得ないものを知ることになるだろう。
◆求められる知のパラダイム転換
生態系や生命体の優れた特長※から学ぶ潮流が生まれつつある。
※エントロピー、ゆらぎ、自己組織化、ホロン、シナジー(協働)、ホメオスタシス(恒常性)、メタボリズム(代謝)、進化、共生
◆「機械論パラダイム」から「生命論パラダイム」へ
【関連本】
『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』 福岡伸一著
あ
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