坪内祐三の学生時代に滋養となった100冊の本


山口瞳の『酒呑み自己弁護』(新潮文庫1979年)を読んでいる。
私の生まれた年に出た現在は品切れの文庫本である。
この本は前に買ってずっと積ん読されていた。
なぜこんな本を買っていたのかというと、『鳩よ!』2001年12月号の「坪内祐三の学生時代に滋養となった100冊の本」(※1)に載っていたからである。


私は2002年の3月に大学を卒業した。
この『鳩よ!』を読んだのは卒業する少し前だったような気がする。
このリストには読んだことない本ばかりが並んでいた。
でも、それらの本がなぜか面白そうに感じたのだ。
そして、このリストに載っている本を古本屋で見つけると購入していった。
『酒呑みの自己弁護』も古本屋で100円で買っている。
他に買った本は以下の通り。
花田清輝『復興期の精神』講談社学術文庫1986年
福田恆存『人間・この劇的なるもの』中公文庫1975年
林達夫『共産主義的人間』中公文庫1973年
吉田健一『東京の昔』中公文庫1976年
武田泰淳『目まいのする散歩』中公文庫1978年
武田百合子『犬が星見た』中公文庫1982年
種村季弘『書物漫遊記』筑摩書房1986年
色川武大『怪しい来客簿』文春文庫1989年
永井龍男『回想の芥川・直木賞』文春文庫1982年
河盛好蔵『回想の本棚』中公文庫1982年
吉行淳之介『贋食物誌』新潮文庫1978年
丸谷才一『遊び時間』中公文庫1981年
小林信彦『ビートルズの優しい夜』新潮文庫1982年
阿部昭『言葉ありき』河出書房新社1980年
澁澤龍彦『玩物草紙』朝日文芸文庫1993年
常盤新平『雨あがりの街』文春文庫1986年
蓮實重彦『反日本語論』ちくま文庫1986年
柄谷行人『反文学論』講談社学術文庫1991年
高橋英夫『批評の精神』中公叢書1970年
磯田光一『戦後史の空間』新潮選書1983年
海野弘『モダン都市東京』中公文庫1988年
呉智英『インテリ大戦争』洋泉社1995年
栗本慎一郎『東京の血は、どお~んと騒ぐ』情報センター出版局1983年
松村友視『私、プロレスの味方です』ちくま文庫1994年
椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』新潮文庫1996年
橋本治『とうに涅槃をすぎて』徳間文庫1984年
中野翠『ウテナさん祝電です』新潮文庫1990年
亀和田武『1963年のルイジアナ・ママ』徳間文庫1989年
村上春樹『1973年のピンボール』講談社文庫1983年
スーザン・ソンタグ『反解釈』竹内書店1971年
ライオネル・トリリング『<誠実>と<ほんもの>』筑摩書房1976年
J・D・サリンジャー『フラニーとゾーイー』新潮文庫1976年
並べてみると、結構、買ったなァ、と思う。
山口昌男『本の神話学』(中公文庫1977年)谷沢永一『紙つぶて(完全版)』(PHP文庫1999年)もこの100冊に入っているが、リストを見る前に買っていた。
でも、『週刊文春』に連載されている坪内祐三の「文庫本を狙え!」の『紙つぶて(完全版)』の書評を読んで買ったので、坪内祐三の影響である。

 本に関する本、いわゆる本の本は数多あるけれど、この一冊を、いやこの二冊を、と言われれば、私は、谷沢永一の『紙つぶて』と山口昌男の『本の神話学』をあげる。私の「青春の書」でもあるこの二冊を、私は、二十年前の初読の時から、もう、何度も繰り返し読んでいるのだが、いまだ、そのたびごとに、新しい発見がある。
坪内祐三『文庫本を狙え!』晶文社2000年

「坪内祐三の学生時代に滋養となった100冊の本」を見て買った本のほとんどが積ん読中である。
これから少しずつ読んでいきたい。
そして、これからも古本屋で見つけたら買っていきたい。
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(※1)
『鳩よ!』2001年12月号
「坪内祐三の学生時代に滋養となった100冊の本」

1.山口昌男『本の神話学』中公文庫
2.谷沢永一『紙つぶて』文藝春秋
3.花田清輝『復興期の精神』講談社文庫
4.福田恆存『人間・この劇的なるもの』中公文庫
5.林達夫『共産主義的人間』中公文庫
6.吉田健一『東京の昔』中公文庫
7.武田泰淳『目まいのする散歩』中公文庫
8.武田百合子『犬が星見た』中公文庫
9.種村季弘『書物漫遊記』筑摩書房
10.色川武大『怪しい来客簿』角川文庫
11.田中小実昌『猫は夜中に散歩する』冬樹社

12.久保田二郎『手のうちはいつもフルハウス』話の詩集
13.植草甚一『植草甚一自伝』晶文社
14.富士正晴『書中の天地』白川書院
15.大岡昇平『成城だより』文藝春秋
16.永井龍男『回想の芥川・直木賞』文藝春秋
17.川崎長太郎『夕映え』河出書房新社
18.野口冨士男『風のない日々』文藝春秋
19.小沼丹『小さな手袋』小沢書店
20.河盛好蔵『回想の本棚』中公文庫
21.尾崎一雄『あの日この日』講談社文庫
22.広津和郎『年月のあしおと』講談社文庫
23.宇野浩二『芥川龍之介』中公文庫
24.佐藤春夫『退屈読本』冨山房百科文庫
25.吉行淳之介『贋食物誌』新潮文庫 
26.山口瞳『酒呑み自己弁護』新潮社
27.開高健『白昼の白想』文春文庫
28.丸谷才一『遊び時間』中公文庫
29.野坂昭如『新宿海溝』文藝春秋
30.小林信彦『ビートルズの優しい夜』新潮社
31.阿部昭『言葉ありき』河出書房新社
32.出口裕弘『越境者の祭り』河出書房新社

33.澁澤龍彦『玩物草紙』朝日新聞社
34.生田耕作『るさんちまん』人文書院
35.由良君美『みみずく偏書記』青土社
36.常盤新平『雨あがりの街』筑摩書房
37.青山南『ホテルカリフォルニア以後』晶文社
38.川本三郎『同時代を生きる「気分」』冬樹社
39.大江健三郎『「雨の木」を聴く女たち』新潮社
40.江藤淳『自由と禁忌』河出書房新社
41.蓮實重彦『反日本語論』筑摩書房
42.柄谷行人『反文学論』冬樹社
43.中上健次『中上健次全発言』集英社
44.高橋英夫『批評の精神』中公叢書
45.磯田光一『戦後史の空間』新潮選書 
46.前田愛『都市空間の文学』筑摩書房 
47.海野弘『モダン都市東京』中央公論社
48.高山宏『目の中の劇場』青土社
49.四方田犬彦『クリティック』冬樹社
50.呉智英『インテリ大戦争』JICC出版局
51.栗本慎一郎『東京の血は、どお~んと騒ぐ』情報センター出版局
52.松村友視『私、プロレスの味方です』情報センター出版局
53.椎名誠『さらば国分寺書店のオババ』情報センター出版局
54.沢木耕太郎『人の砂漠』新潮文庫
55.橋本治『とうに涅槃をすぎて』徳間文庫
56.草森紳一『旅嫌い』マルジュ社
57.赤瀬川原平『いまやアクションあるのみ!』筑摩書房
58.中野翠『ウテナさん祝電です』主婦の友社
59.亀和田武『1963年のルイジアナ・ママ』北栄社
60.村上春樹『1973年のピンボール』講談社
61.ジョージ・スタイナー『言語と沈黙』せりか書房
62.スーザン・ソンタグ『反解釈』竹内書店
63.ロラン・バルト『恋愛のディスクール・断章』みすず書房
64.ドゥルーズ&ガタリ『リゾーム』毎日出版社
65.ミシェル・フーコー『監獄の誕生』新潮社
66.ミハイル・バフチン『ドストエフスキー論』冬樹社
67.ヴィクトル・シクロフスキー『散文の理論』せりか書房
68.ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術』晶文社
69.ケネス・バーク『文学形式の哲学』国文社
70.マーシャル・マクルーハン『地球村の戦争と平和』番町書房
71.アイザイア・バーリン『ヴィーコとヘルダー』みすず書房
72.ヤン・コット『演劇の未来を語る』白水社
73.フランシス・イエイツ『世界劇場』晶文社
74.ウィリアム・ウィルフォード『道化と錫杖』晶文社
75.J・P・サルトル『ボードレール』人文書院
76.エドガー・ハイマン『批評の方法』大修館
77.R・P・ブラックマー『ヨーロッパ小説論』白水社
78.ライオネル・トリリング『<誠実>と<ほんもの>』筑摩書房
79.エドマンド・ウィルソン『アクセルの城』筑摩叢書
80.マルカム・カウリー『亡命者帰る』南雲堂
81.カルヴィン・トムキンズ『優雅な生活が最高の復讐である』リブロポート
82.シルヴィア・ビーチ『シェイクスピア・アンド・カンパニー書店』河出書房新社
83.F・スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』新潮文庫

84.リング・ラードナー『アリバイ・アイク』新潮文庫
85.ナセニェル・ウエスト『孤独な娘』ダヴィッド社
86.ジェイムズ・エイジー『家族の中の死』集英社
87.トルーマン・カポーティ『犬は吠える』早川書房
88.J・D・サリンジャー『フラニーとゾーイー』新潮文庫
89.ソール・ベロー『フンボルトの贈り物』講談社
90.トム・ダーディス『ときにはハリウッドの陽を浴びて』サンリオ
91.イーハブ・ハッサン『根源的な無垢』新潮社
92.L・A・フィードラー『終わりを待ちながら』新潮社
93.フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ作家』集英社
94.ジョン・アップダイク『美術館と女たち』新潮社
95.ドナルド・バーセミル『帰れ、カリガリ博士』国書刊行会
96.ジョン・ホークス『もうひとつの肌』国書刊行会
97.トマス・ピンチョン『V』国書刊行会
98.ジョン・バース『フローティングオペラ』講談社
99.ウィリアム・ギャス『アメリカの果ての果て』冨山房
100.W・H・オーデン『染物屋の手』晶文社

書を持って街へ出る