食べログ事件で明るみ、巧妙な“ステマ”の実態
(東洋経済オンライン 2012年02月07日掲載) 2012年2月10日(金)配信
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利用者にもネット情報を精査する能力が求められる[撮影:尾形文繁] [拡大]
インターネット上にあふれる口コミ情報は信頼できるのか。人気サイトで“やらせ”が次々と発覚し、問題視されている。
発端は、飲食店のランキングサイト「食べログ」だ。同サイトは飲食店からの広告ではなく、その店の利用者が書き込む口コミや点数、それを基にしたランキングの掲載が売りだ。ところが1月上旬、飲食店に好意的な評価を投稿し、ランキングを上げる見返りに金銭を受け取る業者が昨年12月時点で39社いたことが明らかになった。
ネット大手のヤフーが運営するQ&Aサイト「ヤフー知恵袋」でも、同様のことが行われていた。利用者が書き込んだ「おすすめの店はどこですか」などの質問に対し、やらせ投稿をする請負業者が、依頼主の飲食店に有利な回答をする、といったケースがあった。
芸能人を使った方法も
サイトの利用者に広告と気づかれないように行われる宣伝は「ステルスマーケティング(ステマ)」と呼ばれ、食べログを運営するカカクコムやヤフーは共に「やらせには関与していない」と主張する。一方、運営者が主導し収入を得る例もある。
サイバーエージェントが運営しているブログ「アメーバ」で昨年9月、二人の芸能人のブログに花王の歯磨き粉について内容の似た紹介記事が掲載され、「ステマではないか」と波紋を呼んだ。これは実際に花王が仕掛けたステマだったが、ブログの中には広告と明示されていない。
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