スマートフォン(多機能携帯電話)の普及に伴い、「充電切れが早い」「通信料が高い」などの相談が各地の消費生活センターで急増している。国民生活センター(神奈川県)によると、2011年10月末の相談件数は前年同期比の3倍以上の1789件。パソコン同様の機能を持つスマートフォンは電気も通信料も携帯電話以上に掛かるのだが、従来の携帯感覚で買った利用者は「こんなはずじゃなかった」と戸惑っているようだ。
「充電切れが早い。故障なら交換したい」。福岡市消費生活センターには昨年からそんな相談が増え始めた。福岡県内で40代女性から「パンフレットには『連続待ち受け230時間』と記載があるのに、充電翌日昼には切れる」という苦情も。女性が購入した店に交換を願い出ると「スマートフォンはこういう物」と言われたという。
NTTドコモ広報担当者によると、連続待ち受け時間とは、何も操作していない状態の時間。スマートフォンは多くのアプリ(ソフト)を搭載可能で、それを使えば電話をかけなくても電気を消費するという。
福岡市消費生活センターには「料金請求がこれまでの携帯電話の倍近くになった」との苦情が寄せられた。スマートフォンはインターネット通信量も多く、各社ともネットが使い放題の「定額制」が一般的。ただし、金額は月5千円台と高めで、料金が跳ね上がったように感じるケースもあるという。
鹿児島県消費生活センターには、30代女性から、スマートフォンを購入して数日で「使いこなせないので解約したい」と相談があった。契約によっては解約金が発生することもあり、各センターの担当者は「はやりに飛び付かず、自分に本当に必要かどうか検討してほしい」と呼び掛けている。
=2012/02/10付 西日本新聞朝刊=