作業員5人が行方不明になっている岡山県倉敷市のJX日鉱日石エネルギー水島製油所の海底トンネル浸水事故で、事故直前に、現場責任者が工事元請けの鹿島側に「漏電」などと電気系統のトラブルを訴えていたことが捜査関係者への取材でわかった。掘削機への通電が止まった場合、地盤の圧力で掘削機が破壊されるおそれがあり、県警は事故原因につながる可能性もあるとみて調べる。
捜査関係者によると、事故前の7日正午ごろ、海底トンネル内にいた作業員が、地上にいた現場責任者の弘新建設従業員、渕原義信さん(61)を呼びに来て、2人はすぐに現場に降りていったという。
その後、午後0時17分ごろ、渕原さんから鹿島の担当者に携帯電話で連絡があった。渕原さんは担当者に「漏電」「ブレーカー」などという言葉を使って、電気系統のトラブルをうかがわせたが、通話状態が悪く、十分に聞き取れなかったという。渕原さんは「現場に来てほしい」と要請したため、この担当者は自転車で駆けつけたが、すでに海水がトンネルの縦穴から噴き出した後だったという。