朝鮮の伝説の名医
許浚(ホジュン)をご存じでしょうか?実在の人物ですが、その詳細は余りよく分かっていませんでした。今年の1月から韓流ドラマ
許浚(ホジュン)として、放映されました。韓国では1999年に放送され、大河ドラマ史上初めて60%の視聴率を記録し、現在でも歴代視聴率4位に君臨する国民ドラマです。放送当時は「ホジュン シンドローム」と呼ばれる社会現象まで巻き起こし、ドラマのメインテーマである漢医学の人気が高まり、大学の漢医学科の競争率が急上昇するなど、数々の逸話を残しました。ストーリーは、苦学の末、国王の健康を預かる「御医」の地位にまで登りつめたものの、権力におぼれる事無く、自らその地位を退き、国中の山野を自らの足で歩き、朝鮮半島の気候や自生の薬草を調べ「中国漢方」の模倣ではない「韓方医学」の聖典とされる「東医宝鑑」25巻を編纂するといった内容でした。特に印象深いのが、劇中で主人公 許浚(ホジュン)の医術の師匠ユウィテは常に事ある毎に医術の名人では無く「心医」になれと教えます。「医」にたずさわる者は修練と経験で到達すると言う「神医・声医・工医・巧医」の名人である前に「真に患者の身のなって、共に苦しみ、共に喜び、病と戦う心を持つ心医になれ」と説きます。単に治療効果の高い薬を選択するだけでなく、その患者さんの「主訴」の背景にあるものをしっかり見、病む者の目線で共に病の克服に取組むという教えでした。許浚(ホジュン)の医術は、
パッチ・アダムスの愛と笑いで人を癒すことが大切であるという信念と通じるものがあるように思えてなりません。私も「心医たれ」と心に刻み、日々診療に励もうと改めて誓う次第です。
Last updated
Aug 21, 2006 06:53:38 AM