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バブルさんとゆとりちゃん
【第41回】 2012年2月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

月収60万円だったのに自己破産!
見栄っ張りな性格が招いた“太っ腹バブルさん”の悲劇

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――大王製紙の例の横領金額は106億とも言われてますね。氷河期世代の僕なんかが、106億円を手に入れたところでそれってどうするの?と思いますし。あったとしても絶対にカジノには使わないだろうな。

 これも一種の見栄だと思うんですよ。だって黙っていても創業者の御曹司で、それなりにリッチな暮らしを送れるんだから、それでも会社の資金を私用に使わないとお金が足りなくなっちゃうというのは、やっぱり見栄じゃないですか。

――バブル御曹司がカジノで遊ぶその頃、氷河期世代とゆとり世代はアメーバピグとかオンラインゲームのなかで、コインを使って贅沢をしていた、と。

 そう言えば無料でもプレイできるけれども、ゲームを有利にすすめたい人やかっこよいアバターが欲しい人は有償のコインをゲットするオンラインゲームって、今の世代にとても合っていますよね。あまり消費にお金を回せないから、アバターのような最小限のコストで人と違うところをアピールしているところもありますが、それだけじゃないような気もします。

――でも、リアルな洋服もアバターも、価格帯や実態の有無は異なっても“消費”ですよね。

 ところがああいうオンラインゲームでは、いきなり有償のコインをざくざく使ってプレイしてもそこまで楽しくはないですよね。楽しいのは、こつこつプレイしつつ、ここぞと言うときに有償で強くなったり、かわいいアバターを手に入れる、というスタイルだと思うんです。ただ、そうするとゲームのプレイ時間の長い人が結局勝つという仕組みですよね。

――結局我々氷河期世代やゆとり世代は、大量のお金の消費より、考え方によってはもっと大事かもしれない“時間”を失っているわけですね。

 時間を失う、か。なんだか我々のほうが不幸なのかもしれない…。

<今回のまとめ>
バブル世代には多重債務者が意外に多い。
バブル世代でなくても、見栄っ張りは大損をしますよ!

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


バブルさんとゆとりちゃん

職場は世代間ギャップの宝庫だが、そのなかでも他の世代から槍玉に挙げられやすいのが「バブル世代」と「ゆとり世代」。そんな2つ世代の職場での生態を解き明かすとともに、彼らとの上手な付き合い方を探っていく。

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