――Oさんにとっては、“泣きっ面に蜂”であったと。まったく関係のない2つの不幸のように思えますが、FXの熱狂もリーマンショックも、金融マーケットの肥大化が生んだ悲劇ですよね。まあ、Oさんの自己責任もあるとは思いますが…。
Oさんは高給取りだったので、減額の時も人より大きく収入が減ったと思います。元々かなり火の車だったんじゃないかと想像できるのですが、おそらくそれがとどめを刺したみたいです。僕は、いろんな人の証言を組み合わせて話してますけど…。
――元々額が大きかったから、落差も大きかった、と。なんだか救いようのない結果ですね。ちなみに東京都消費生活総合センターによると、多重債務で悩む人の絶対数は40代がいちばん多いらしいですよ(※1)。
(※1)約23%が40代、約21%が50代とされ、20代の11.3%と比べ明らかに多い(いずれも平成21年度のデータ)。様々な事情があるだろうが、過半数が給与生活者(非自営業、非無職)と見られるようなので、浪費による債務も多いと予想される。
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/tokei/pdf/theme_2302.pdf
――残念な話でしたが、まあ自己破産すれば社会復帰はできるはずなのでどこかで活躍していることでしょう。さて、今後似たような悲劇を生まないためにはどうすれば良いとTさんはお考えですか?
バブル世代の人って豪快なイメージが一般的にあると思いますが、反面、自分の負の部分をうまく見せられないという弱い部分があるのだと僕は思います。例えば、下の世代の僕らは「お金がない」とか「今月ピンチかも」とか言うことをわりと簡単に口にするじゃないですか。それに対して、バブルさんは隠そうとするんですね。価値観の違いかも。
――1人で抱え込まずもっと素直になったほうが良い、と。バブルさんは社内では激しい出世競争に巻き込まれていると思うので、それも原因として大きいのかもしれませんね。
バブルさんがカジノで遊ぶなか、
氷河期くんはオンラインゲームで満足?
この前ニュースで、大王製紙の役員が会社のお金、数十億円をカジノにつぎ込んでいたという話があったじゃないですか(※2)。あきれるより前に、「なぜカジノにそこまでの大金をつぎ込むか?」と不思議でなりません。ああいう豪快なことって我々の世代は絶対にやらないと思うんですよ。お金の使い方が刹那的。
(※2)大王製紙の前会長井川意高がグループ会社からお金を借り入れ、マカオのカジノで豪遊していたという事件。問題の前会長は事件当時47歳のバブルさんだった。