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バブルさんとゆとりちゃん
【第41回】 2012年2月8日
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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

月収60万円だったのに自己破産!
見栄っ張りな性格が招いた“太っ腹バブルさん”の悲劇

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――Oさんにとっては、“泣きっ面に蜂”であったと。まったく関係のない2つの不幸のように思えますが、FXの熱狂もリーマンショックも、金融マーケットの肥大化が生んだ悲劇ですよね。まあ、Oさんの自己責任もあるとは思いますが…。

 Oさんは高給取りだったので、減額の時も人より大きく収入が減ったと思います。元々かなり火の車だったんじゃないかと想像できるのですが、おそらくそれがとどめを刺したみたいです。僕は、いろんな人の証言を組み合わせて話してますけど…。

――元々額が大きかったから、落差も大きかった、と。なんだか救いようのない結果ですね。ちなみに東京都消費生活総合センターによると、多重債務で悩む人の絶対数は40代がいちばん多いらしいですよ(※1)

(※1)約23%が40代、約21%が50代とされ、20代の11.3%と比べ明らかに多い(いずれも平成21年度のデータ)。様々な事情があるだろうが、過半数が給与生活者(非自営業、非無職)と見られるようなので、浪費による債務も多いと予想される。
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/tokei/pdf/theme_2302.pdf 

――残念な話でしたが、まあ自己破産すれば社会復帰はできるはずなのでどこかで活躍していることでしょう。さて、今後似たような悲劇を生まないためにはどうすれば良いとTさんはお考えですか?

 バブル世代の人って豪快なイメージが一般的にあると思いますが、反面、自分の負の部分をうまく見せられないという弱い部分があるのだと僕は思います。例えば、下の世代の僕らは「お金がない」とか「今月ピンチかも」とか言うことをわりと簡単に口にするじゃないですか。それに対して、バブルさんは隠そうとするんですね。価値観の違いかも。

――1人で抱え込まずもっと素直になったほうが良い、と。バブルさんは社内では激しい出世競争に巻き込まれていると思うので、それも原因として大きいのかもしれませんね。

バブルさんがカジノで遊ぶなか、
氷河期くんはオンラインゲームで満足?

 この前ニュースで、大王製紙の役員が会社のお金、数十億円をカジノにつぎ込んでいたという話があったじゃないですか(※2)。あきれるより前に、「なぜカジノにそこまでの大金をつぎ込むか?」と不思議でなりません。ああいう豪快なことって我々の世代は絶対にやらないと思うんですよ。お金の使い方が刹那的。

(※2)大王製紙の前会長井川意高がグループ会社からお金を借り入れ、マカオのカジノで豪遊していたという事件。問題の前会長は事件当時47歳のバブルさんだった。

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


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職場は世代間ギャップの宝庫だが、そのなかでも他の世代から槍玉に挙げられやすいのが「バブル世代」と「ゆとり世代」。そんな2つ世代の職場での生態を解き明かすとともに、彼らとの上手な付き合い方を探っていく。

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