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バブルさんとゆとりちゃん
【第41回】 2012年2月8日
著者・コラム紹介バックナンバー
梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

月収60万円だったのに自己破産!
見栄っ張りな性格が招いた“太っ腹バブルさん”の悲劇

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――素敵なバブルさんですね!

 しかし、ある日を境にOさんは突然会社に来なくなってしまったんです。1週間後には新しい上司が赴任してきて、何事もなく日々の業務に戻っていきました。ただ、Oさんが去った2週間後に、社内の噂でOさんが自己破産したことを知りました。

――別に破産をしたからって会社を辞めなくても良いでしょう。

 おそらく居づらくなったのでしょう。Oさんはごくまれに部下を誘ってホームパーティを開いてくれたんです。Oさんの自宅は横浜の海が見える立派な一軒家で、家財道具も見るからに高級そうでした。Oさん自身はそれほど家具に興味なさそうだったんで、奥さんの趣味でしょうか。当時は、「生まれつきお金持ちの家の人なんだろう」、なんて能天気に思っていたのですが、今思えば借金をして買っていたのかもしれません。

――余計な話かもしれませんが、Oさんのだいたいの給与はご存知ですか?

 これは推測ですが、大きな部署の統括もしていた方ですから、手取りでも月に60万円はあったのではないでしょうか。あと、奥さんは内職をされていたようですが。

――月に手取りで60万円ということは、額面にボーナスも加えたら年収1000万円は超えてそうですね。

 そんな人が借金地獄で苦しんでいたんですよね。僕はOさんには幾度となく食事をごちそうになっていたので、なんだか後味が悪い別れでした。

浪費癖のあったバブルさんに
とどめを刺した「FX」と「減給」

――しかし家具にお金をかけても、年収が1000万円もあれば普通は破産しないですよね。他に原因があったんじゃないですか?

 推測の域を出ませんが、今から4年ぐらい前にFXのブームが起きたとき、かなりの大金を使って損をしたのではないか、と。「儲かってるよ、FX」と喜んでいたのに、ある時期から急にFXの話をしなくなったんですよね。どこかで大損をしたのではないかと勘ぐっています。加えて、リーマンショックの頃、一時期弊社の業績が明らかに下がって、給料の見直しがあったんです。残業代の一部がカットされ、実質の給料ダウンでした。ボーナスも大幅に削減されました。

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梅田カズヒコ [編集・ライター/プレスラボ代表取締役]

ロスジェネ世代(1981年生)の編集・ライター。フリーライター、編集プロダクション勤務を経て2008年より株式会社プレスラボを起ち上げる。著書に『エレベスト』(戎光祥出版)。web上のニュースサイト「下北沢経済新聞」編集長。「GetNavi」(学研)誌上で『コンビニ研究室』連載中。他に「日経トレンディネット」「COBS ONLINE」「R25」「サイゾー」など主にネット媒体で執筆中。起業したのは旺盛な独立心と言うよりも、むしろサラリーマンの職場における煩わしい人間関係から逃げるため。
ツイッター:@umeda_kazuhiko


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職場は世代間ギャップの宝庫だが、そのなかでも他の世代から槍玉に挙げられやすいのが「バブル世代」と「ゆとり世代」。そんな2つ世代の職場での生態を解き明かすとともに、彼らとの上手な付き合い方を探っていく。

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