「アホですよ、アホ。何も考えていない」。アーティストの村上隆氏は、カタールの首都ドーハで開催する個展の会場で2012年2月7日(日本時間)、国内の現代美術をとりまく状況に「アホばかり」と苦言を呈するとともに、20代~30代の若者、特に「ネットでギャーギャー言う」人々を批判した。
村上氏の個展「Murakami - Ego」は、中東の国カタールで今月9日(現地時間)から開催される。全長が100mあるという作品「五百羅漢図」などが展示される。2月7日のニコニコ生放送「ニコ論壇SP」では、カタールから村上氏の声を届けた。
番組で村上氏は、日本で不景気にも関わらず美術大学が増えていると述べ、「アホな学生をアホに見せないよう、親から(金を)だまし取る商法」と批判。「大学から学ぶことを社会に還元するということもなく、アホばっかり生まれている」と持論を展開した。
また、日本人には世界的に活躍する人やモノに対する「ジェラシー」があると主張。
「外国に出て通用するものには、(日本で)いくら揶揄(やゆ)されようとも普遍性がある」
にも関わらず、若者は「ゆとり教育でアホになった」ためにそのことを理解できていないと指摘した。また、村上氏の主張に対する批判について「じゃ俺の目の前に来て、きっちり話をつけようと言っても、絶対に来ない」と言い、
「コミュニケーションしなければ、モノを売ったり価値観を表明したりすることはできない。それを隠れながらやってネットでギャーギャー言ったって、何も生まれない」
と、主にインターネットを介しての批判について、苦言を呈した。
村上氏はさらに、ハリウッド映画『トランスフォーマー』にはニコニコ動画に見られるMAD動画の手法を「パクッた」部分があるとし、「『やっぱり俺たちはすごかった』じゃなくて。(それでは)金にできていない。タダで垂れ流して清貧で美しいというのが君たちのやりたいことであれば、どんどんやるべき。だけど僕はイヤ。だって新しいモノを作れない」と、アーティストとしての自身の考えを語った。
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 若者は「ゆとり教育でアホになったのでは」から視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv79992502?po=news&ref=news#0:32:43
(土井大輔)