全国の原子力発電所の9割以上が運転を停止するなか、NHKが地元自治体に、原発の停止が続く影響について尋ねたところ、「影響がある」と答えたのは66%に上り、自治体の財政や地域経済への影響を懸念する意見が相次ぎました。
NHKは、原発の地元の道と県、それに市町村のうち、福島県内を除く29の自治体に、今月、アンケート調査を行い、すべての自治体から回答を得ました。
全国の原発は9割を超える51基が停止中で、自治体に、原発が運転を再開しないなかで影響が出ているかを尋ねたところ、「影響がある」と答えたのは19の自治体で、率にして66%、「影響がない」と答えたのは5の自治体で17%となりました。
原発事故から半年余りの去年9月にNHKが行った調査では、「影響がある」という回答は45%にとどまっていて、運転停止が長期化するなかで、地元に影響が広がっていることが分かります。
自治体に影響の具体的な内容や対策を尋ねたところ、「原発の停止で、核燃料の価格などに応じて電力会社に課税する核燃料税の収入が見込めない。来年度の予算編成では歳出のスリム化などの努力を行う(静岡県)」「宿泊施設や飲食店の売り上げ減少など、地元経済への影響がある(泊村)」など、自治体の財政や地域経済への影響を懸念する意見が相次ぎました。
核燃料税を巡っては、北海道、静岡県、愛媛県、佐賀県が、原発の運転再開の見通しが立たないとして、新年度の当初予算案で税の収入を初めて計上しない方針を固めたほか、福井県と青森県が、税収の確保のために原発が停止中でも課税できる新たな方式を導入するなど、各地で対応に追われています。
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