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教務エッセイ(算数)算数好きになるくすり

階段を昇る場合

【フィボナッチの数列】
  • 2007年7月号

日能研教務部算数科 真藤 啓

このページは、「進学レーダー7月号」に連載している算数エッセー「算数好きになるくすり 階段を昇る場合」のうち、問題や解説など、紙面で書ききれなくなったことを補足するために、開設しました。

【目次】
  1. 基本問題1 典型問題 (2006年 世田谷学園中)
  2. 基本問題2 特定の階段を踏む場合 (2001年 日大豊山中)
  3. 基本問題3 特定の階段を踏まない場合 (2006年 早稲田中2回目)
  4. 応用問題1 3段昇りもアリの場合 (2007年 慶応義塾中等部)
  5. 応用問題2 連続2段はナシの場合 (2007年 京都大学前期理系)
  6. 参考 フィボナッチの数列の性質

『進学レーダー』には、階段昇りの「場合の数」を考えたくなるような必然性のあるストーリーをと思ったのですが、苦労した割にはいまいちかも知れません。こういう文章というのはできの悪いほど苦労しているものです。(自己フォローになっていませんが)

――NHKの朝の連続テレビ小説「芋たこなんきん」に主人公の町子のもとへ弟子入りを希望する男が現れ、マイペースでトンチンカンな彼に町子も困り果てる。この男の書いた小説というのが、色々な小説をつぎはぎに組み合わせたもので、とてもなっていない。しかし本人は傑作だと思っている。面白くも哀しい。――

作家希望や漫画家希望者に多いパターンなのだそうです。ここでは、別にそういうことの戒めに書こうとした訳ではありませんが。

階段を昇る「場合の数」の問題は、昔はよく大学入試にも出ていました。「にも」というより、「には」というべきかもしれません。つまり、もともと、大学入試の範囲なのでしたが、近年(といっても15年前ほどから)中学入試にもぱらぱら出るようになっています。

今年は京都大学に出ましたので、今回はここらを着地点に考察してみたいと思います。
中学入試で出始めは、次の「基本問題1 典型問題」のような問題がほとんどでしたが、次第に変化が見られるようになってきました。

順に考えていくと、今年(2007年)の京都大学の入試問題も解けるようになると思います。中学入試が大学入試につながっているということを知っていただけます。また、大学入試は高い視点が含まれているので、中学入試に展望を与える働きがあります。一題当千の問題といえます。

まずは、次の問題から取り組んでみましょう。

1. 基本問題1 典型問題 (2006年 世田谷学園中)

問題
たつや君が階段をのぼります。階段は、1段ずつのぼるか、2段ずつ(1段飛ばし)でのぼるかをまぜてのぼることができます。例えば、

2段のぼるには、1段-1段、2段の2通りあります。
3段のぼるには、1段-1段-1段、1段-2段、2段-1段の3通りあります。

このとき次の問いに答えなさい。

[問題] 2006年 世田谷学園中

(1)5段のぼるには、何通りののぼり方がありますか。
(2)7段のぼるには、何通りののぼり方がありますか

(2006年 世田谷学園中)

解法

  • (1) 初の1歩は、2段昇りか1段昇りである。
    最初に2段昇った場合→以降は3段の階段の昇り方 
    最初に1段昇った場合→以降は4段の階段の昇り方
    となるから、
    「5段の階段の昇り方」=「3段の階段の昇り方」+「4段の階段の昇り方」
    となる。1、2段の階段の昇り方は、それぞれ1、2通りなので、
    1+2=3(通り)・・・・・・3段の階段の昇り方
    2+3=5(通り)・・・・・・4段の階段の昇り方
    3+5=8(通り)・・・・・・5段の階段の昇り方
    となる。よって、8通り
  • (2) 最初に2段昇った場合→5段の階段の昇り方 
    最初に1段昇った場合→6段の階段の昇り方
    となるから、
    「7段の階段の昇り方」=「5段の階段の昇り方」+「6段の階段の昇り方」
    5+8=13(通り)、8+13=21(通り)となる。
    よって、21通り

答え (1)8通り (2)21通り

《参考》フィボナッチの数列
数列の中の連続する3つの数のうち、前に並んでいる二つの数の和がその次の数になっている数列をフィボナッチの数列といいます。フィボナッチの数列は、階段の昇り方だけではなく生物の殖え方や成長の過程などいろいろな局面に現れる重要な数列です。
階段昇りではこの世田谷学園中の問題が基本です。まず、これだけはしっかり押さえておきましょう。次に特定の段を必ず踏む場合、逆に必ず踏まない場合を考えてみましょう。

2. 基本問題2 特定の階段を踏む場合 (2001年 日大豊山中)

問題

図のような7段の階段を登るとき、「1段ずつ登る」、「1段とばしで登る」の2つの登り方があります。
1番下から1番上まで登るとき、「1段ずつ登る」「1段とばしで登る」を混ぜて登ってもよいとします。
このとき、次の問いに答えなさい。

[問題] 2001年 日大豊山中

(1)登り方は何通りありますか。
(2)5段目に必ず止まる登り方は何通りありますか。

(2001年 日大豊山中)

解法

  • (1)1、2、3、4、5、6、7段の階段の昇り方は、1、2、3、5、8、13、21(通り)となる。
    よって、21通り
  • (2) まず、5段昇るのが8通りあり、そのそれぞれに残りの2段昇るのが2通りあるので、8×2=16(通り)

答え (1)21通り (2)16通り

特定の階段を踏む場合は、その階段までの昇り方と、その階段からの昇り方との積になることがわかります。
特定の階段を踏む昇り方=その階段までの昇り方×その階段からの昇り方

では次に、特定の階段を踏まない場合について考えてみましょう。

3. 基本問題3 特定の階段を踏まない場合 (2006年 早稲田中2回目)

問題

図のように10段からなる階段があり、1段上がりと2段上がりの一方、または両方を用いて昇ります。次の問いに答えなさい。

[問題] 2006年 早稲田中2回目

(1)2段上がりをちょうど3回用いたとき、階段の昇り方は何通りありますか。
(2)階段の昇り方は全部で何通りありますか。
(3)7段目を踏まないで階段を昇る方法は何通りありますか。

(2006年 早稲田中2回目)

解法

[解法] 2006年 早稲田中2回目
  • (1)2段+2段+2段+1段+1段+1段+1段=10段
    のように、7歩のうち、3歩は2段昇りの場合の数を考える。
    1を4個、2を3個の合計7個を1列に並べるということである。
    ところで、右の図でAからBまで進むには、ヨコに4、タテに3進めばよい。
    たとえば
    ヨヨヨヨタタタ
    のように7文字のうちタを3個、ヨを4個並べるとよい。
    右の図のように各交差点に行く場合の数を次々に加えていくとよい。
    35通りとなる。
[解法] 2006年 早稲田中2回目
  • (2) 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10段の階段の昇り方は、
    1、2、3、5、8、13、21、34、55、89 (通り)となる。
    よって、89通り
  • (3) 「7段目を踏まない」ということは、「6段目で必ず2段昇りをする」ということである。
    1段から6段までの「6段の階段の昇り方」が13通り、
    8段から10段までの「2段の階段の昇り方」が2通りあるので、
    13×2=26(通り)

答え (1)35通り (2)89通り (3)26通り

4. 応用問題1 3段昇りもアリの場合 (2007年 慶応義塾中等部)

問題

階段を昇るのに、1度に1段、2段、3段を昇る3種類の昇り方が可能であるとします。例えば、3段の階段を昇るには、次のア~エの4通りの昇り方があります。次の□に適当な数を入れなさい。

ア 1度に3段昇る。
イ はじめに1段、次に2段昇る。
ウ はじめに2段、次に1段昇る。
エ 1段ずつ3度で昇る。

  • (1)4段の階段の昇り方は □通り あります。
  • (2)10段の階段の昇り方は □通り あります。

(2007年 慶應義塾大附属中等部)

解法

  • (1)「1」、「2」、「3」を「+」でつないで4を作る場合の数です。
    1+1+1+1=4 1+1+2=4 1+2+1=4 1+3=4
    2+1+1=4 2+2=4 3+1=4 の7通り
  • (2) 1段 1通り
    2段 2通り
    3段 1+1+2=4 4通り
    4段 1+2+4=7 7通り
    5段 2+4+7=13 13通り
    6段 4+7+13=24 24通り
    7段 7+13+24=44 44通り
    8段 13+24+44=81 81通り
    9段 24+44+81=149 149通り
    10段44+81+149=274 274通り よって、274通り。

答え (1)7 (2)274

《参考》トリボナッチ数列
この数列は「3つの数のフィボナッチの数列」といった感じです。実際「トリボナッチ数列」というニックネームがあり、知られています。
3段目が少し変則的に感じるかもしれません。
0段目を1通りと考えると、すっきりします。実際、フィボナッチ数列自身、0段も考えて、

1、1、2、3、5、8、13、・・・

とするのが本来の形です。いつも前2つの数の和が次の数になっていて、ちょうど規則的になるとわかります。最初に1、1、であるからこそ、その次が2になれるのです。
そうして、トリボナッチ数列も、1、1で始めて

1、 1、 2、 4、 7、 13、 24、 44、 81、 149、 274、 504、 927、 1705、 ・・・

とします。
前3つの数の和が次の数になっていて、ちょうど規則的になるとわかります。最初に1、1、2であるからこそ、その次が4になれるのです。

それでは最後に今回の着地点、京都大学の問題です。京都大学というのは知らない人は少ないでしょうが、関西では東大以上であるという人もいる位に人気のある超難関大学です。

5. 応用問題2 連続2段はナシの場合 (2007年 京都大学前期理系)

問題

1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、1歩で2段昇ることは連続しないものとすると、15段の階段を昇る昇り方は何通りあるか。

(2007年 京都大学前期数学[理系1問2])

解法
たとえば、5段の階段の昇り方を考えると、最初に1歩は1段昇りか2段昇りである。
最初の1歩で1段昇ると、残りは「4段の階段の昇り方」となる。
最初の1歩で2段昇ると、2歩目は1段に限るので、残りは「2段の階段の昇り方」となる。
5段の階段の昇り方=4段の階段の昇り方+2段の階段の昇り方
となる。最初の1、2、3段はそれぞれ1、2、3通りである。
以下、4つ並んでいる数を仮に ア、イ、ウ、エとすると、ア+ウ=エとなるように順に作っていくとよい。

1 2 3 4 6 9 13 19 28 41 60 88 129 189 277

答え 277通り

別解
すべて1段昇り 1通り
1回だけ2段昇り 14通り

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

2回だけ2段昇り 66通り

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

1段11歩の前後とすきまの12個のうちどの2個をえらぶか。
道順に置き換えると66通りとわかる。

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

《参考》

12角形の辺と対角線を数える。
12個の頂点から11本ずつひけるけど、2本ずつダブっているから、
12×11÷2=66(通り)

《参考》 応用問題2 連続2段はナシの場合 (2007年 京都大学前期理系)

3回だけ2段昇り 120通り

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

道順に置き換えると120通りとわかる

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

4回だけ2段昇り 70通り

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

5回だけ2段昇り 6通り

[解法] 2007年 京都大学前期数学[理系1問2]

以上から、
1+14+66+120+70+6=277(通り)

答え 277通り

《参考1》

結局、AからB~Gのどこかに行くのは何通りかという問題と1対1対応のつく問題と考えられます。

《参考1》 2007年 京都大学前期数学

参考2》

解法と別解について述べると、「解法」の方が高校生向けで、「別解」の方が小学生向けかなと思いますが、なぜか、大学受験参考書には、「別解」に近いものが多く、「解法」で示したものはありませんでした。この問題の意図は明らかに「解法」で示したものでしょう。中学受験問題をしっかり考えるようにすると、大学入試がとても見通しがよくなることを感じます

6. 参考 フィボナッチの数列の性質

フィボナッチの数列にはいろいろな性質があります。たとえば巻貝の渦巻き模様のような形もフィボナッチ数列になっています。

6.参考 フィボナッチの数列の性質

ひまわりの種のつき方や木の枝の殖え方、葉のつき方、雛菊の花を構成する小さな花の並び、松ぼっくりの松かさの並びにもフィボナッチの数列が見られます。また、ウサギの殖え方、連絡網の伝わり方などもフィボナッチの数列で求められます。

《参考例題1》 2007年 立命館慶祥中「4」 《参考例題1》

右の長方形ABCDの中にある曲線は、円周Aの一部分をつなげたものです。曲線の長さは何cmですか。
ただし、円周率は3.14を用いて計算しなさい。

(2007年 立命館慶祥中「4」)

解法

四分円の弧は、直径×3.14÷4なので
2×2×3.14÷4などを次々に加えるとよい。
(1+1+2+3+5+8+13)×3.14
=33×3.14=
103.62(cm)

答え 103.62cm

《参考例題2》

《参考例題2》 2007年 啓明学院Aの「4」 右の図のような長方形を正方形と長方形に分割し、さらにその長方形を正方形と長方形に分割していくことをくり返します。つぎに、正方形の1辺を半径とする4分の1の円を順番につないでいくと、らせん形(太線)ができます。このとき、次の問いに答えなさい。

  • (1) 右の図のように、最も小さい4分の1の円を1番とし、番号をつけていくとき7番の半径を求めなさい。
  • (2) 1番から10番の4分の1の円をつないでできるらせんの長さを求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。

(2007年 啓明学院Aの「4」)

答え (1)21cm (2) 362.67cm

次に、フィボナッチの数列の性質について少し考えてみましょう。

性質1 フィボナッチの数列の階差数列
数列の連続する2つの数の差をとってできる数列をもとの数列の階差数列といいます。数列の規則性を知りたいとき、階差数列で調べるとわかりやすくなることがあります。

たとえば次のような数列、

7 9 15 25 39 57 79 ・・・・・・

があったとします。この数列の規則性を知りたいと思うと、階差数列は、

2 6 10 14 18 22 ・・・・・・

となります。さらにこの数列の規則性を知りたいと思うと、その階差数列は、4 4 4 4 4 ・・・・・・
のように、階差数列をとると、規則性が見つけやすくなることが時々あります。
そこで、フィボナッチ数列

1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、・・・・・・

の階差数列をとってみましょう。

0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、・・・・・・

あれあれ、フィボナッチ数列の階差数列もまた、フィボナッチ数列になってしまいます。
階差数列とそのもとの数列との関係はというと、階差数列の和はもとの数列を利用して求めることができます。逆にいうと、もとの数列の何番目かの数を求めるときには、初項(第1番目の数)に階差数列の和を加えるとよいのです。上の例で考えると、

もとの数列 7 9 15 25 39 57 79 ・・・・・・
階差数列  2 6 10 14 18 22 ・・・・・・
のとき、

7+2+6+10+14+18+22=79

となる。

このことを関係するのですが、フィボナッチ数列の和の数列を考えてみます。
1
1+1=2
1+1+2=4
1+1+2+3=7
1+1+2+3+5=12
1+1+2+3+5+8=20
1+1+2+3+5+8+13=33
1+1+2+3+5+8+13+21=54
1+1+2+3+5+8+13+21+34=88
1+1+2+3+5+8+13+21+34+55=143
・・・・・・・・・
となる。こうしてできる数列 1、2、4、12、20、33、54、88、143、・・・・・・
に1を加えると、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、・・・・・・
となり、3番目からのフィボナッチ数列になります。
1+1+1+2+3+5+・・・・・・+(n番目のフィボナッチ数)
=((n+2)番目のフィボナッチ数) となります。

もとの数列 1、 1、 2、 3、 5、 8、 13、 21、 34、 55、 89 ・・・・・・
階差数列  0、 1、 1、 2、 3、 5、 8、 13、 21、 34 ・・・・・・
のとき、

1+0+1+1+2+3+5+8+13+21+34=89

となる。

性質2 フィボナッチの数列の連続する3つの数の関係
フィボナッチの数列の連続する3つの数をア、イ、ウとします。すると、ア+イ=ウになることは当然です。
だって、そもそもそう決めたのですから。実はそれ以外の関係もあるのです。

ア×ウ=イ×イ-1か、ア×ウ=イ×イ+1

という関係もあるのです。確かめてみましょう。

1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、・・・・・・

を2番目から順に平方すると、

1、4、9、25、64、169、441、・・・・・・

となります。一方、その前後の2数の積は、

2、3、10、24、65、168、442、・・・・・・

となり、確かめられました。

性質3 フィボナッチの数列と余り
パスカルの三角形をある数で割った余りで分類すると、シェルビンスキーのギャスケットというきれいなフラクタル模様ができます。これまで、中学入試には1995年慶応湘南藤沢中等部、2006年頴明館中の2度出ています。(パスカルの3角形については、次回述べることにします。)

そこで、同様なことを、フィボナッチ数列で行うとどのようになるでしょう。すなわち、フィボナッチ数列の各数をある決まった数で割った余りで分類してみるのです。やってみると、広がる周期とはならずに、周期のある数列となることが確かめられます。たとえば、2、3、4、5で割ったときの余りは

2で割った余り 1、1、0、1、1、0、1、1、0、1、1、0・・・
3で割った余り 1、1、2、0、2、2、1、0、1、1、2、0、・・・
4で割った余り 1、1、2、3、1、0、1、1、2、・・・
5で割った余り 1、1、2、3、0、3、3、1、4、0、4、4、3、2、0、2、2、4、1、0、1、1、2、3、0、3、3、1、4、0、4、4、3、2、0、2、2、4、1、0、・・・

となります。これを見ると、

3の倍数番目にのみ、2の倍数が現れる。
4の倍数番目にのみ、3の倍数が現れる。
6の倍数番目にのみ、4の倍数が現れる。
5の倍数番目にのみ、5の倍数が現れる。
とか、20で割って1か2か8か19余る番目のときのみ5で割って1余るなどが調べられます。

性質4 フィボナッチの数列の一般項
フィボナッチの数列のn番目の数はどうやって求めるのですかという質問がくることがあります。「きたか」と思います。「それはない(こともないが)」というと、9割がた「ふ~ん」とあきらめてくれますが、
「知らないんでしょ」なんていわれると実はこうだ。

性質4 フィボナッチの数列の一般項

これ以上簡単な形にはならない。これをビネ(J.P.M.Binet)の公式という」と書いてあげることもあります。

フィボナッチというのはあだなで本名は レオナルド・ダ・ピサ です。イタリア語ではレオナルド・ピサーノといいます。意味は「ピサ村のレオナルド」で、名前はありましたが苗字は村の名前を使いました。ピサはピサの斜塔で有名なピサ村です。ちなみに「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も、「ヴィンチ村のレオナルド」という意味です。レオナルドという名前もめずらしい名前ではないので、同姓同名というか、同郷同名の人は多かったと思います。フィボナッチは生前には評価されなかったようです。単なる思いつきの数列と思われていたのでしょう。

ピサ出身の有名な科学者といえばガリレオ・ガリレイがいます。ガリレイが姓です。
一説によれば、ガリレオはガリレイの単数形で、イタリアでは長男に時々このような命名をするのだそうです。

今回はフィボナッチの数列について述べました。習ったことを習ったまま暗記するというのではなく、その周辺も思い巡らせてほしいと思い、そのしかたの例をあげているものです。それは、習ったことをしっかり理解するのに有効だと思うからです。こうしたことがそのまま入試に出るからというわけでは必ずしもありません。ただし、不意に出ることはありえますので、ぜひ楽しみながら学んでほしいと思います。

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