日能研教務部算数科 真藤 啓
このページは、「進学レーダー6月号」に連載している算数エッセー「算数好きになるくすり カールの秘密」のうち、問題や解説など、紙面で書ききれなくなったことを補足するために、開設しました。
カール・フリードリッヒ・ガウスは、小学のとき矩形数を自分で気づき、そのことが誇りで生涯の原動力になったようです。お子様も追体験することで、ピタゴラスやガウスの後継者になれるかもしれません。
ガウスについて、カール(ガウス)の側からみたもののみあり、そこでは父ガウスは悪役?で登場します。そうして、カールは生涯母を愛し、最後まで人任せにせず介護したといいます。しかし、父ガウスにも言い分があったと思われてなりません。また、ドイツは、日本と違って、身分制度のようなものがあるようです。そうした事情も関係したようです。
「進学レーダー」に書いた文は私の空想です。
ですが、父は父なりにカールを愛していたのだと思われてならなかったのです。
■多角数
今回の算数としてのテーマは、三角数や矩形数について学びたいと思います。三角数や矩形数は、4月号で取り上げたピタゴラスの発見によるものでした。ピタゴラスといえば、「ピタゴラスの定理」で有名ですが、三角数・四角数・五角数・六角数・七角数・八角数・・・などの多角数でも知られています。
これらの数は、図形数とか多角数とかいわれていました。しかし、ヨーロッパで図形数というのは、パスカルの三角形の列に並ぶ数をいうことが多いので、ここでは、図形数といわずに多角数という言い方に限定したいと思います。
パスカルの三角形については追ってお話するかもしれません。
■楽理の祖
ピタゴラスの業績についてはほかには音楽理論があり、「音楽理論の祖」とか略して「楽理の祖」ともいわれています。一説によると、天空の星が奏でる音楽が聞こえるといっていたそうです。音楽理論的な問題がまれに受験算数(ピアノや琴など弦楽器の弦の長さ)に出ることもあります。
昔は、明るい照明もなく、夜になるといやがうえにも満天の星と対峙しなければならなかったでしょう。星の並びに意味を見出し、音楽理論や数学の理論をつくったのでしょう。ただ、三角数については、飛ぶ鳥の群れの形から起こったのではないかとする説もあります。
■唯数論
ピタゴラスは、「唯数論」ということを唱える思想家でもありました。
ピタゴラスは、「万物の根源は数である」と論じたのです。補足しますと、ここでいう「数」とは、「点」や「図」という意味もありました。「数」ということばが「形」という意味もあったのです。
今もそうした名残を見つけることができます。
ゼロという呼び名は、nulla figura、つまりどんな図形(数字)でもないという意味から生まれたのです。
やってみましょう
たとえば、Yahoo!翻訳
http://honyaku.yahoo.co.jp/
で、「図」を和英訳させると「A figure」と訳され、「A figure」を英和訳させると「数字」と訳されます。
(Webは便利ですね)
つまり、「万物の根源は数である」ということばには「万物の根源は図形である」という意味も重ね合わせて持っていると考えられます。
■タレス
ピタゴラスの師とも言われるタレスは、紀元前640年(あるいは、前624年)ごろ、ミレトスに生まれ、前546年ごろ亡くなったと考えられています。万物の根源は水であるというタレスの説は、多様な自然の事象に、その根本には統一的な原理のあることを主張するものでした。
生活の実利や実用のためではなく、神話でもなく、純理論的に自然の本質を把握しようとする精神が、タレスによって発信されたのです。タレスによる物質の一元論は、アナクシマンドロス(前610年頃~前546年以後)や、アナクシメネス(前586年頃~前528年頃)によって受け継がれました。
タレスは証明ということを考え出した人です。
「二つの辺の長さが等しい三角形では二つの底角も等しい」
「どんな三角形でも内角の和は180度である。」
「円とその直径をかく。円周上に一点をとり、直径の端からその点に線を引いて三角形を作るとそれは、必ず直角三角形になる。(タレスの定理)」
などを証明してみせました。
「哲学の創始者」と呼ばれた古代ギリシアの哲学者でもあり、七賢人の筆頭として讃えられています。また、貿易商人でもありました。
イソップ物語の
「ろばと塩」
ろばに塩を運ばせていた。よたよたと川まで来た。なんのはずみか、ろばは足を滑らせ、川の真ん中で転んでしまった。溺れまいとあわてて立ち上がったろばは、はたと気が付いた。なんと荷が軽くなっているではないか。それ以来、川を渡る時には必ずひっくりかえるようになった。そこで、ある計画を思いついた。彼は、塩の代りに綿を積んだ。川へ来ると、ろばは楽になろうといつもの様に転んだ。ところが今度は軽くならない。それどころか、かえって重くなっている。それ以来、ろばはもう転ばなくなった。
---などのモデルがタレスとされています。また、
タレスは夜星を見ながら歩いていて、すぐそばのどぶにはまってしまった。するとそばにいた老婆が、タレス先生はあんなに遠い星の世界のことがわかるのに、すぐ近くにあるどぶのことすらもわからないと言って笑った。
(プラトン『テアイテトス』)
タレスは知者にとって富を得ることがいかに易しいかを示そうと、天文学を利用して、今年はオリーブが豊作になるらしいという見通しをつけ、オリーブを絞る機械を大量に買い占め、大金持ちになった。
(アリストテレス『政治学』)
---などの逸話もよく知られています。
■輪廻
ピタゴラスはまた、輪廻(人は生まれ変わる)という主張も持っていました。ブッダ(仏陀 お釈迦様)の影響という説もあります。直接会ったと主張する人は少ないのですが、少なくとも間接的に影響を受けたとする説は多いようです。
三角数、四角数、五角数、・・・・・・など、ピタゴラスの残した研究は、当時の人や、その後のギリシアの数学者たち(エラトステネス、ヒッパルコス)をはじめ、ニーコマコス(1世紀末)、スミュルナのテオーソ(2世紀)、など紀元後の初期の数学者たちは、これらの数をとくに詳しく研究しました。
ギリシア代数学の祖といわれたデイオフアントス(3~4世紀)も、こうした研究の価値に着眼して、それに関する1冊の本『算術』を書きましたが、その本は今日まで伝わっています。また、同じ時期に、“ギリシアの数学者たちとは無関係”に、インドの数学者たちも多角数の研究をしました。
多角数についての大変難しい諸定理を証明したのは、比較的新しく、フランスのピエール・フェルマー(17世紀)、スイスのレオソハルト・オイラーとフランスのジョゼフ・ルイ・ラグランジュ(共に18世紀)、ドイツのカール・フリードリッヒ・ガウス(19世紀)、その他です。これらの諸定理は、高等算数(数論)で大きな役割を果たし、いまでも果たしているのです。
これらの定理のなかでもっとも重要なものは、フェルマーが《黄金の定理》と名づけた理論です。これは、
あらゆる自然数は、三角数であるか、二つまたは三つの三角数の合計、あるいは四角数であるか、二つ、三つまたは四つの四角数の合計、あるいは五角数であるか、二つ、三つ、四つまたは五つの五角数の合計・・・・・・(以下同様)である。
というものでした。なお、フェルマー自身は、この《黄金の定理》を証明することができませんでした。オイラー、ラグランジュ、ルジャンドル、およびガウスの手を経てから、このフェルマーの定理は、フランスの数学者オーギエスタソ・ルイ・コーシ(1789~1857年)によって漸く完全に証明されたのでした。この定理から、数論の多くの命題がでています。
ピタゴラスをデイオフアントスの書いた『算術』で学んだフェルマーは、その本の余白に有名な「フェルマーの最終定理(フェルマー・ワイルズの定理)」を書き、長い間証明できませんでしたが、ワイルズ氏(20世紀)が解決しました。
フェルマーの最終定理(フェルマー・ワイルズの定理)
『算術(ディオファントス)』第2巻第8問「x2+y2=z2 の有理数解を求めよ」の欄外余白に
「nが3以上のとき、一つのn冪を二つのn冪の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」
と書き残した。
こうして、見てみると、生物学的にはともかく、ピタゴラスの算数は輪廻(りんね。よみがえること)しているといえますね。
参考文献 算数の文化史(イー・ヤー・デップマン著 藤川誠訳現代工学社)
■ピタゴラスは生きている。
また、パソコンに映る画面のいくつかの文字や画像は、点でできています。点はすべて1つの数に対応し、その全体も1つの点に対応させられます。
あるいは逆に、円周率は数直線上の1点です。これを小数で表すと、1冊の本でも表しきれません。3冊でも5冊でも、それどころか、1万冊でも表しきれません。翻って、万巻の百科事典の内容も文字などを数値に置き換えると、1つの数になり、それは1つの点に対応できます。生物の遺伝子も数に対応させると、1点に置き換えられます。
また、ニュートリノの発見もあり、宇宙が素粒子でできていることが明らかになってきました。
「すべては数(=点=形)である」という、一見とっぴな古代のピタゴラスの主張は現代にいたって、かえって信憑性を帯びてきました。まるで、ピタゴラスの主張は、今なお生きているという感じがしますね。
■三角数・四角数・矩形数
三角数や四角数と関連付けて矩形数について述べることにします。
矩形とは長方形のことで、矩形数は、また実際、長方形数とか長方数ともいわれています。なぜ矩形数などと難しい言葉を使うのかというと、長方形数だと、合成数(素数の積)という感じがするので、あえて使っています。
矩形数とは、(2+4+6+・・・)のように、2からの偶数の和で与えられる数をいいます。また、矩形数とは、12×13のように連続する2つの整数の積で与えられる数のことを言います。
三角数(1からの自然数の和)
1 1+2 1+2+3 1+2+3+4 1+2+3+4+5 1+2+3+4+5+6 ・・・・・・
なお、三角数は、高校では=1+2+3+・・・+n と表します。数学が得意な保護者の方にはこの方がわかりやすいかもしれません。
四角数(1からの奇数の和)
奇数を1から順にたしてできる数、
1、
1+3、
1+3+5、
1+3+5+7、
1+3+5+7+9、
1+3+5+7+9+11、・・・・・・
を、四角数といいます。
四角数はまた、同じ数を2個掛け算した数であり、平方数ともいわれます。
n番目の四角数=(n-1)番目の三角数+n番目の三角数
ところで、次のような図で、小さな正三角形の個数も四角数なのです。
三角形なのに四角数?と悩む子も見受けられます。次の図のように考えてもよいです。2倍にしてから2個ずつ数えても個数は同じですからね。大きさではなく個数に注目してください。
あるいは逆に、正方形の半分を全部半分にしても個数はもとと同じ。
ここでも個数に注目してください。
あるいは、逆三角形をはがしてひっくり返す。たとえばこうすると、正三角形に並びます。
それぞれ、次のようになります。
三角形の四角数のできあがり!というように、いろいろ考えられるのも算数の魅力です。
矩形数
矩形数とは、2からの偶数の和でもあり、連続する2つの数の積でもあります。
矩形数÷2=三角数
■うぉー
こういうものをかいてあげると、「うぉー」と歓声を上げてくれる子がたくさんいます。
こうした小ピタゴラスや小ガウスに混じって、
「えーっ、こんなに覚えなければならないんですかぁ。」
なんて、いわれることもあります。
少し関心を膨らませると、覚えようとしなくても、ひとりでに気づくと思います。その程度でよいです。ぜひ、ここに書いていることを無理にそのまま覚えようとせず、書いていることを参考に自分自身で再発見して楽しんでほしいと思います。
■たし算をかけ算になおせる魅力
三角数、四角数、矩形数が多くの小学生に感動をもって迎えられるのは、たし算をかけ算になおしてしまうことにあるのではないでしょうか。
かけ算というのは、たとえば、
4+4+4+4+4=4×5
というように、同じ数をたしたときに使えます。
逆にいうと同じ数のたし算でなければ、かけ算は使えません。けれども、同じ数のたし算ざんでなくても同じ数のたし算に直すことができるとかけ算で計算できるのです。
三角数、四角数、矩形数を学ぶとき、そこで、たし算をかけ算になおせる魅力が感動を呼ぶようです。感動的な追発見をして算数好きになってほしいものと思います。
中学入試によく出るのは、中学校の先生もまた、子供のころ追体験して算数に胸を熱くした思い出があるからなのだろうと思います。受験算数は出題者の思いと、受験者の思いが熱く共鳴して喜びが心に反響します。
節末にあたり、少し、述べたいことは、ピタゴラスはどこまで知っていたかということが気になることです。ピタゴラスは後の人が発見したいろいろな定理をどれだけ理解していたでしょうか。あるいはどれだけ予見していたでしょうか。将棋を発案した人が、将棋の必勝法をおそらく知らなかったであろうように、多角数にしても、それほど深くは知らなかったのではないでしょうか。
ピタゴラスの主張は、一見、なんともとっぴで単なる思い付きに見えます。そこが敷居が低いというか、多くの若者に熱烈に受け入れられたところでしょう。その一方、その入りやすさが、七賢人には数えられなかったようにも思います。
ピタゴラスの主張の実は奥深いところは、やはり、学問の旅を続けた成果だと思います。ガウスと同様にやはりご本人が感動したのだと思います。
さて、矩形数は、連続する2つの整数の積です。このことから、どういう性質が浮かび上がるかを少し考えてみます。
ここで、次の問題を考えてみましょう。
補題
1+2+3+4+・・・+□
というように、1からある数までたしたところ、132の倍数になりました。□にあてはまる一番小さい数を求めなさい。
(全国中学入試センター模擬試験改題)
解法
□番目の三角数 □×(□+1)÷2が、132の倍数であるということから、
□×(□+1)÷2=(132の倍数)
つまり、
□×(□+1)=(264の倍数)
ということがわかります。264を素因数分解すると、
264=2×2×2×3×11
□か(□+1)が11の倍数である場合について調べる。
10×11、11×12、21×22、22×23、32×33、33×34、・・・・・・
この中から、2×2×2の倍数であり、3の倍数でもあるものを探す。
32×33=□×(□+1)
と決まる。よって、□=32
答え 32
《参考》連続する2つの整数は「互いに素」である。
連続する2つの整数は、共通な素因数を持ちません。共通な素因数を持たないことを「互いに素」であるといいます。
したがって、連続する2つの整数は、「互いに素」であるといえます。
□×(□+1)は2×2×2×3×11の倍数ですから、□と(□+1)の両方とも2の倍数であるということはありませんので、一方のみが2×2×2(=8)の倍数です。
両方とも3の倍数であるということはありませんので、一方のみが3の倍数です。両方とも11の倍数であるということはありませんので、一方のみが11の倍数です。
8、3、11のうち、一番大きい11の倍数について探すと早いわけです。矩形数は大学入試ではこのようにでています。
問題
連続する2つの整数の積、(a-1)×aが10000で割り切れるような数aを求めなさい。ただし、aは3以上9999以下の奇数です。
(2005年 東京大学前期文理科共通・改題)
解法
10000=2×2×2×2×5×5×5×5である。連続する2つの整数(a-1)とaは「互いに素」(両方が2の倍数であることはない。両方が5の倍数であることはない。)なので、どちらかが(16=2×2×2×2)の倍数で、どちらかが、625(=5×5×5×5)の倍数である。
aは奇数であることから、aは625の倍数で、(a-1)は16の倍数である。
言い換えるとaは、625の倍数で、16で割って1余る数が求める数である。ここまでくると、よくある中学入試問題となります。
625-1=624=16×39なので、a=625 は成り立ちます。
(625は625の倍数で、16で割って1余る数である。)
次に大きい数は、625+625×16=10625ですが、9999を越えますので不適当です。
答え a=625
矩形数(連続する2つの整数の積)については、約数を素数の累乗分けして、その素数の累乗のうち、大きいものを優先して見出す。先のセンター模試の場合は11、今の東大入試の場合には625で探すと簡単です。
もとにした問題
9999以下の奇数aで、a2-aが10000で割り切れるものをすべて求めよ。
(2005年 東京大学前期文科理科共通)
知っているとトク ~速算術 特別な2桁の2数の積~
25×25=625というのをなんとなく覚えている人も多いですね。
もしこれを知らなければ、2×3=6 5×5=25で625とできます。
35×35 のときは3×4=12 5×5=25で1225となります。
45×45 のときは4×5=20 5×5=25で2025となります。
55×55 のときは5×6=30 5×5=25で3025となります。
また、
74×76 のときは7×8=56 4×6=24で5624となります。
一般に、一の位の和が10で、十の位が等しい2つの整数の積は
AB×AC (B+C=10)
A×(A+1)とB×Cを書き並べるとよいのです。
問題
同じ整数どうしを2個かけてできる数を平方数といいます。これについて、次の問いに答えなさい。
(2004年 東京大学前期理科数学問題2 改題)
解法
(説明終)
(説明終)
もとにした問題
自然数の2乗になる数を平方数という。以下の問いに答えよ。
(2004年 東京大学前期理科数学問題2)
《参考1》平方数と4で割った余りについて
という性質があります。
《参考2》2の累乗の倍数の求め方について
2の倍数の求め方 10は2の倍数ですから、一の位が偶数です。
4の倍数の求め方 100は4の倍数、下2桁が4の倍数です。
8の倍数の求め方 1000は8の倍数、下3桁が8の倍数です。
16の倍数の求め方 10000は16の倍数、下4桁が16の倍数です。
・・・・・・
ということはだれでもすぐにわかると思います。
4の倍数の求め方 下2桁が4の倍数です。下2桁が4の倍数とは、さらにいうと、
十の位が奇数で、一の位が2か6
十の位が偶数で、一の位が0か4
ということです。
一の位の数字に着眼
なお、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9を平方してみると、0、1、4、9、6、5、6、9、4、1となります。つまり、平方数の一の位は0、1、4、9、6、5、6、9、4、1であり、2、3、7、8になることはありません。
こうした、東大の入試問題は、東大受験生にも難しいけれども、中学受験生にも同じように難しく、案外、小学生のときにわからないと大学受験生になっても気づかないのではないかとも思います。
日頃から、習ったことを、ちょっと広げて考えてみる。習ったことの周辺を自分で発見してみるといった主体的な学びが求められているように思います。難しいことのようですが、逆にいうと、「算数は勉強するな。算数で遊べ。」といわれているような気もします。ざっと読んで、自分でも少し考えてみると、日本一算数のできる小学生になれると思います。
《参考3》奇数の平方について
奇数の平方で、たとえば、17×17のとき、289となる。
奇数×奇数の一の位は必ず奇数になる。そうして、十の位は必ず偶数になる。平方する前の奇数の十の位は何であっても20の倍数になるから一の位の数の平方だけ考えてやればよい。
奇数の平方
十の位は偶数
一の位は奇数
4月号で紹介した、
東京大学の入試問題(2007年)を小学生向けに翻訳した問題
07年4月号「まぼろしの定理」 5. 東京大学の入試問題を小学生向けに翻訳した問題
も平方数の問題です。出たばかりの問題をお届けしたいと思い4月号に載せましたが、今回の問題と関連させて考えると、平方数に関する理解が広がると思います。
問題
[4] a、bは整数で、aの方がb より大きいとします。このとき、分数に対して、数〈
〉を、次のように定めます。
割り算b÷aを計算して、小数点以下どこまでも割り切れないときは、ある数字の並びがくり返し現れるので、下の例1、例2のように、くり返しの1つ目より後ろに続く部分を切り捨てて、それを〈〉と定めます。割り算b÷a が小数第何位かで割り切れるときは、例3のように、それをそのまま〈
〉と定めます。
例1 =0.272727・・・なので、〈
〉=0.27 です。
例2 =0.1363636・・・なので、〈
〉=0.136 です。
例3 =0.1875 なので、 〈
〉=0.1875 です。
(2006年 開成中)
解法
答え(1) 0.459、(2)
、
、
《注意》6桁周期のうち出だしが狂っているもの
分子が分母より大きい場合や、または分母が2や5の倍数になる場合には、=
となり、15÷7と同じような並びになって出だしが狂ってしまう。
=
、
=
なども同様である。
《参考》
分数を循環無限小数に直したときに
周期が1になる分母 3、9の倍数
周期が2になる分母 11の倍数
周期が3になる分母 37の倍数
周期が4になる分母 101の倍数
周期が5になる分母 41、271の倍数
周期が6になる分母 7、13の倍数
です。
これに関連して、
9、99、999の倍数の見分け方、あるいは11、101、1001の倍数の見分け方、あるいは、3、9、11、37、101、7、13の倍数の見分け方、あるいは、それらの関連なども思い浮かびますが省略します。得られる知識そのものの有用性は乏しいので、人が興味を持ったそのときに自分で気づくときに面白いと感じることだと思うからです。
倍数の見分け方に関することでは、あっとおどろく知識がまだまだ、たくさんありますが、さすがに長くなりますので、今回はこの辺で。
こういう問題が出てから学んで覚えておこうというよりは、日ごろから、そこそこ楽しんでおきたいものです。今回は、たくさんのたし算を1つのかけ算にできることを知ると、算数が楽しくなるという例をお伝えしましたが、どうでしたでしょうか。
東大の問題は、誰でも何度も目にするもの、そうして、ちょっと考えれば誰にも分かることがギュッと詰まっています。1つ1つのことは小学生でも十分理解できるものが少なくありません。習ったことを自分自身で確かめたりすると自然に気づくものがたくさんあります。ですので、そういうことを心がけましょう。意図的に見出すには、この文を読んで考えるきっかけにするとよいと思います。