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Dropkick vo.4発売記念コラム『kamipro消滅の真実』第一回
2011年3月発売の157号をもって休刊した『kamipro』。PRIDE人気に乗るかたちで部数を上昇させ、編集長だった山口日昇氏はプロレス団体運営にも携わるなど、ミニコミ誌からの立身出世ぶりはプロレスマスコミ史の中でも際立っていた。そう、あの事件が起こるまでは……2代目編集長のジャン斉藤が明かすバブル崩壊、その瞬間!

 「PRIDEの人間が逮捕されるかもしれないぞ……」  
 2006年2月14日、K-1MAX代々木第二体育館大会。2階のスタンド席から観戦取材をしていた当時『kamipro』編集部員の私に、某大手出版の編集者がこんな電話をかけてきた。
「え? どういうことですか……?」 
「03年大晦日、あの件が蒸し返されそうとしてるんだよ。逮捕は大げさだとしても、背後関係を含めてけっこうな面倒な騒ぎになる可能性が高い」  
「しかし、どうして今頃あのときの大晦日が……」  
「さあ。外野は推移を見守るしかないけどね……」
  フジテレビのPRIDE地上波中継打ち切りの発端となった、03年大晦日三波分裂を巡る舞台裏のトラブル。それは『週刊現代』が『猪木祭り』のイベントプロデューサーだった川又誠矢氏の独占手記を掲載するなどし、何週にもわたって告発キャンペーンを仕掛ける以前のやりとりであった。
  その予兆はあった。
  05年12月下旬に発売した『kamipro』94号において「大晦日特集」を担当した私は、03年大晦日三派分裂に関わった某関係者に接触。「ズンドコ大晦日」というテーマであの『猪木祭り』にて噴出した珍エピソードやドタバタな運営状況をうかがうという趣旨だったが、いわゆる「黒社会」方面にも話は及んだ。
  とはいっても当時はまだ三派分裂の傷跡が生々しいこともあってか、関係者は積極的にその話題を広げることはしなかった。それでも私は念のため当時の『kamipro』編集長だった山口日昇氏に完成したインタビュー原稿を送った。すると編集長の傍らPRIDEやハッスルのブレーンを務めていた山口氏から意外な返事が返ってきた……。
<続く/文・ジャン斉藤>


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| コラム | 11:59 | 人間風車 |
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