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大船渡・山田線「鉄道堅持を」 沿岸7市、復旧求め決議
東日本大震災で被災し運休中のJR大船渡(気仙沼−盛)、山田(宮古−釜石)両線の仮復旧策として、軌道を舗装しバスを走らせるバス高速輸送システム(BRT)をJR東日本が検討していることについて、青森、岩手、宮城各県の沿岸7市で構成する三陸沿岸都市会議は8日、「鉄道の堅持と早期復旧を求める緊急決議」を採択した。 BRTの導入検討方針は、JR東日本の清野智社長が7日の記者会見で示した。沿線自治体に事前の連絡はなく、8日に宮古市であった三陸沿岸都市会議では、三陸鉄道が2014年の全線運転再開を目指し、復旧に着手した中、沿岸の鉄道網が分断されることへの反発が相次いだ。 野田武則釜石市長は「三陸鉄道復旧にめどが付き、(相互乗り入れしている)山田線の協議に入る直前の発言で真意が分からない。鉄路復旧が復興計画の前提で変更は困る」と不快感を示した。 「沿岸がすべて鉄道でつながってこそ意味がある」と強調したのは小林真八戸市長。「JR側の経済的な理由が背景にあるなら、強くけん制しなければならない」と語気を強めた。 気仙沼線(柳津−気仙沼)の仮復旧策として、既にBRTを提示された菅原茂気仙沼市長は「将来の鉄路復旧を確約させる必要がある」と懸念を示した。 この問題で、岩手県の沿岸7市町の担当者らは9日、達増拓也知事とともにJR東日本本社や国土交通省などを訪れ、大船渡、山田各線などの早期復旧を要望する。 野中広治県交通課長は「鉄路で沿岸が結ばれなかったら観光振興の面からもダメージは大きい」と話し、JR線の復旧に国も積極的に関与するよう求める。 東北運輸局鉄道部は、こうした動きについて「BRT次第でまちづくりが変わってしまう。三陸鉄道が分断されるとしたら問題だ。各市町村から聞き取りし、調整しなくてはいけない」と話している。
2012年02月09日木曜日
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