【ソウル西脇真一】韓国有力紙、朝鮮日報(電子版)は7日、在日韓国大使館に派遣された韓国の情報機関、国家情報院の職員が、日本の記者や海上保安庁職員らに機密を漏らしたとして摘発され、昨年6月に解雇されたと報じた。国家情報院は機密の一部が北朝鮮側にも流出していたとみているという。
報道によると、元職員が漏らした機密は8件で、97年に北朝鮮から韓国に亡命した黄長※(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記の訪日日程など。日本人拉致被害者の田口八重子さんに関する情報を日刊紙記者に伝え、10年11月の北朝鮮による延坪島砲撃事件に関する分析を民放テレビ局の記者に伝えていたという。
解任を不服とした元職員が5日にソウルの裁判所に解任無効の訴えを起こし、明らかになった。元職員は「内容は機密とは言えない」などと抗議しているという。元職員は在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)などの担当として09年6月に日本へ派遣されていた。
※は火へんに華
毎日新聞 2012年2月8日 1時27分