首都圏の３人連続不審死　事件審理始まる

　首都圏の連続不審死事件で、殺人罪などに問われた無職木嶋佳苗被告（３７）の裁判員裁判第１６回公判が６日、さいたま地裁（大熊一之裁判長）であり、２００９年５月に千葉県野田市の自宅が全焼し、焼け跡から遺体で見つかった無職安藤建三さん（当時８０）の事件の審理が始まった。

　検察側は冒頭陳述で「練炭と睡眠薬を使って殺害した。同じ日には、安藤さんに支給されたばかりの年金約１８８万円を口座から引き出して入手した」と指摘した。

　２人は０８年６月に婚活サイトを通じて交際。安藤さんはデート中にたびたび意識を失い、木嶋被告はこの際、安藤さんのクレジットカードなどを無断で使用していたと述べた。

　弁護側は「安藤さんはヘビースモーカーで、たばこの火の不始末が原因で火災が発生した疑いがある」と主張。

　安藤さんが意識を失ったのは脳の病気の可能性があるとし、関与を否定した。死亡当日に引き出した金は「銀行から下ろしてくるように言われた」と反論した。

　起訴状によると、木嶋被告は０９年５月１５日、安藤さんを睡眠薬で眠らせ、練炭を燃やして一酸化炭素中毒と熱傷で殺害したとしている。

　安藤さんの公判は１６日まで計７回続き、延べ２２人の証人が出廷する予定。（共同）

　［2012年2月6日12時43分］