'12/2/8
白島新駅、15年春に完成延期
広島市中心部でJR山陽線とアストラムラインの結節点となる白島新駅(広島市中区)建設で、開業予定が当初の2014年春から15年春に1年ずれ込むことが7日、分かった。周辺施設に影響を与えないようにする追加の地盤工事が必要となった上、火災時の排煙対策が不十分と指摘され、市の実施設計が進んでいないためだ。
市は11年度、実施設計に向けた地盤や土質を調査。国道54号をまたぐJR駅と半地下のアストラム駅を結ぶ連絡橋の工事が近くの山陽新幹線の高架に損害を与えないようにするには、周辺の地盤により多くのくいを打つ必要があると分かった。
事業を認可する国との協議では、アストラム駅の火災時の排煙対策が不十分と指摘された。こうしたことから設計にさらに時間を要し、14年3月のJRのダイヤ改正に合わせた開業を断念した。15年春のダイヤ改正には間に合わせる方針だ。
市は1月の段階で当初通りの開業は無理と判断していたが、公表していなかった。松井一実市長は7日の記者会見で「事業費削減を指示したことも影響したのでは」と述べた。道路交通局は「事業費見直しが要因ではない」と説明、「市民の期待が大きいのに申し訳ない。早期完成へ努力する」とした。
新駅の総事業費は57億円。東西と南北の動脈を接続し、広域的な軌道系ネットワークの形成を目指す。JR西日本は「市と前向きに調整を続けたい」としている。