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「うめきた」で次世代の医療・ヘルスケア産業を創出、超高齢化社会を支える「スマートライフ」の構築を目指す

第12回大阪大学医工情報連携シンポジウムから(1)

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2012/02/02 10:13
小谷 卓也=日経エレクトロニクス 兼 デジタルヘルスOnline
大阪大学の澤芳樹氏
大阪大学の澤芳樹氏
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 うめきた(梅北)――。かつて「北ヤード」と呼ばれていた、JR大阪駅北側に位置する大規模な再開発地区の名称である。この地で今、次世代型の医療・ヘルスケア産業を創出するための拠点を整備する構想が進められている。超高齢化社会を支える「スマートライフ」の構築を目指す試みである。2012年1月31日に開催された「第12回大阪大学医工情報連携シンポジウム『大都市型生活医療支援拠点でスマートライフを!』」では、同構想への期待や展望などが各講演者から相次いで示された。

 構想では、うめきたの地において、工学技術やIT技術、ロボティクス技術などによって構築した大きく二つのフィールドを提供する考え。すなわち、安心快適な社会デザインとしての「暮らし・まちフィールド」、食文化から次世代診断・治療・ケア技術を用いた「医療・看護・介護フィールド」である。

 このうち、暮らし・まちフィールドで実施するのは、例えば以下のような取り組みである。
・センシング、モニタリング技術を活用して生活データを取得し、ICTを通じて健康状態をチェックする遠隔医療サービスの現場実証
・生活スペースでの看護・介護現場や高齢者の自立支援に向けた身体支援、介護支援機器/サービスの開発や提供

 一方、医療・看護・介護フィールドで実施するのは、例えば以下のような取り組みである。
・都心立地を生かした短時間・低侵襲の検診と、継続データ収集による生命動態システムに基づいた未病チェック
・ロボティクス技術などの最先端技術を融合した機器やサービスを開発し、この地に進出するクリニックなどで現場実証

ビジネスモデルを展示し育て、国内外に発信する

 シンポジウムの最初に登壇した大阪大学の澤芳樹氏(同大学 臨床医工学融合研究教育センター センター長で同大学院 医学系研究科 教授)は、今回の構想を「ビジネスモデルを展示し、ビジネスモデルに参加し、ビジネスチャンスを展開する場」と位置付けた。すなわち、まずは企業や病院が、前述のような次世代の医療・ヘルスケアに関する機器やサービスを提示する。そして、それらを多くの人が利用することで、内容が磨かれていく。こうして生まれたビジネスモデルを、国内外に展開していける拠点にする、というわけだ。

 こうした構想の実現に当たって、うめきたは最適な場所であると澤氏は主張する。「うめきたは、人が集まるところ、人を呼べる場所。多くの企業にビジネスチャンスがあると同時に、多くの人に参加してもらってデータを集積できる」(同氏)。その上で、国が掲げるライフ・イノベーションの成長戦略とどのように連動させ、国家的プロジェクトしての発展のシナリオを描くかを考えることが重要だとした。

 澤氏は、今回のプロジェクトが生みだす経済波及効果についても言及した。例えば2020年に、スマートヘルスケア産業は1000億円以上、メディカル・ロボティクス産業は550億円以上、関連製品の普及促進に伴う市場が400億円以上、それぞれ新規に創出されるという試算を示した。

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