韓国国民年金、このままでは赤字懸念も

 韓国の国民年金も、日本の公的年金のように納付額より受け取り額が少なくなることがあるだろうか。日本の場合、保険料の大幅な引き上げと支給額の急激な削減で、20代などは納付額より受け取り額が少なくなる。

 国民年金公団が7日に発表したところによると、現在のところ、韓国では全世代で納付額より受け取り額の方が多くなると推計された。30代、40代はもちろん、現在20歳の人も納付額の1.67倍を受け取る。もともと受け取り額に比べ保険料が安いためだ。

 韓国は2008年に年金改革を実施したが、44年には赤字が発生し始め、60年には積立金2465兆ウォン(約169兆円)が底を突くとみられている。先進国の年金システムは、大半が納付額と同額を受け取るか、高所得者の場合は納付額より受け取り額を少なくする「所得再分配」効果を前面に出している。年金制度が日本のようにならないよう、韓国も保険料を適正水準に調整し、受け取り額を今よりも減らす見直しを進めるべきだ、と専門家らは指摘している。

■韓国も「世代間の年金格差」が深刻

 国民年金公団によると、韓国も日本と同様、1988年の加入者、2000年代に加入した若い世代、今後年金に加入する子ども世代の間で「年金格差」が存在する。88年に加入し、20年間保険料を納めてきた世代(多くは60代)は、平均で納付額の2.7倍の年金を受け取る。「保険料率3%で所得の70%を支給する」とした当時の「低負担・高給付」政策のおかげだ。

 だが、若い世代は収益比率が大幅に低下する。40歳は納付額の1.94倍、30歳は1.78倍、20歳は1.67倍をそれぞれ受け取る見通しだ。まだ年金に加入していない10歳の子どもは1.63倍の年金を受け取る。国民年金公団が08年の年金財政見直しを前に、男性が23年間(平均加入期間)保険料を納める場合を想定して算出したものだ。

金東燮(キム・ドンソプ)保健福祉専門記者
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