[「NHKとっておきサンデー」のスタジオで高橋美鈴アナウンサー(左端)、矢野竜司リポーター(右端)と]
記者の先輩からうかがったんですが、1年目2年目の若手でもチャンスがあるとのこと。「NHKスペシャルのこの部分は若手の記者が集めてきた情報なんだよ」という話を聞いて、やる気次第でどんどん任せてもらえる組織なんだと、懐の深さを感じました。
そうなんですよね。面接のときも感じたのですが、NHKは意外と若い人の声を聞き入れてくれる。正直、NHKと言えば報道の権威じゃないですか。だから学生のジャーナリズム観など聞く耳も持たないだろうと思っていたのですが、「こんな番組をつくりたい」という声を受けとめてくれて、真剣に議論してくれるんですよね。実はNHKって熱い会社なんだなと思いました。
NHKのことを詳しく知ると、いろんな可能性があることを発見しますよね。私は音楽ドキュメンタリーをつくりたいと思っていましたが、報道の現場の話をうかがうと、この分野も面白そうかなと。とにかくいろんなことを経験してみたい。もちろん、音声技術をやるからには「紅白」は絶対に手がけてみたいです。
私も視野が広がっています。最初はスポーツ実況を希望していましたが、いまは自分で取材をして細部を伝えることで、スポーツに興味がない人にも感動してもらえたり、頑張っている人を見て勇気や活力を与えられたりするような、そうした番組づくりにも参加したいと思っています。
NHKというのは、視聴率をあまり気にしていないイメージがありますよね。民放に比べると、専門的というか、個性的な番組が多いですし、それは視聴率を気にしないから作れるんだと思っていたのですが、実は逆で、そういう番組を必要としている視聴者が必ずいるから作っているのであり、独り善がりなわけじゃないと。その話を聞いて「これが公共放送の使命なんだ」とあらためて気づかされました。この就職活動を通じてNHKのイメージが本当に変わりましたし、入局後に営業の現場に出てからも、多くの視聴者の方々にいま私が感じていることを伝えていきたいですね。
私は四国の出身で、当初はUターン就職を希望していたこともあって、将来的には地元に帰って仕事がしたいと思っています。NHKは地域に根ざした番組やイベントを地方局で独自に展開していますし、そうした活動を通じて地方振興に貢献したい。さまざまな業務に関わって力をつけ、いろんな場面で視聴者の方々のお役に立てる「地方局の顔」のような存在になりたいですね。