私はおばあちゃん子で、祖父母と見るテレビと言えばNHK。「NHKスペシャル」も小さい頃からよく見ていましたし、いまでも好きな番組のひとつです。なかでも学生時代に見た、NPO事務局長の湯浅誠さんのドキュメンタリーに心を動かされて……テレビにしかできないことがあると強く感じて、私も報道の世界で番組づくりをしてみたいとNHKを志望したんです。
私は記者職で内定をいただきましたが、もともとは記者になろうとは思っていなかったんです。社会のために、というよりも、自分自身がいろんなことを知りたい、いろんな経験をしてみたいという気持ちが強くて、本当にいろんな業界を回ったのですが、そのなかで見つけた仕事が「記者」だったという感じです。ディレクター職とちょっと迷ったんですが、番組づくりまで手がけることを重視するのか、現場でとことん取材するのを重視するのか。自分がやりたいのは後者だと思って記者職を選びました。
アナウンサーを目指したのは、大学時代の野球部のOBがアナウンサーとして活躍されていて、その先輩に憧れたのがきっかけですね。いま私は学生コーチとして後輩の指導にあたっているのですが、その経験もアナウンサーに通じるんじゃないかと。コーチというのは声で選手に伝えて、彼らの行動を変えていくわけですから。NHKを志望したのは番組づくりの姿勢にひかれたから。なかでも印象に残っているのが、中日の山本昌広投手のドキュメンタリー。天才じゃなくても、努力や工夫ですごい選手になれるということがテレビから伝わってきて、私もそうした感動を世の中にじかに伝えていきたいと思ったんです。アナウンサーというのは大変な職業ですが、もともと真っ直ぐな性格なので(笑)、やりたいことはトライしてみようと!