Updated: Tokyo  2012/02/08 12:08  |  New York  2012/02/07 22:08  |  London  2012/02/08 03:08
 

2号機温度、68.5度と高止まり続く-再臨界防止で未明にホウ酸水(4)

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  2月7日(ブルームバーグ):東京電力の福島第一原子力発電所2号機原子炉の温度が再上昇した問題で、東電は7日注水量を増やしたが夕方になっても高止まりが続いている。午前中に70度を割った2号機圧力容器下部の温度は午後1時現在で71.5度に再び上昇したが、5時現在では68.5度。

  東電によると、7日午前10時に69度だった温度は、11時69.6度、午後0時70度とわずかながらも上昇した。午後2時以降は69.1度からやや低下傾向を示した。昨年9月末に100度を下回り、今年1月は50度前後で推移していたが、2月に入ってから上昇し5日午後に70度を超えた。6日午前7時に73.3度に達して以降の圧力容器下部の温度は70-72度で推移していた。

  松本純一原子力・立地本部長代理は温度上昇の原因について「はっきりしたことはまだ分からないが、配管を切り替えた際に注水量を調整したことが大きな要因とみている」と述べた。給水系からの注水はこの際にゼロに絞ったという。

  東電は7日未明、再臨界を防止するために原子炉にホウ酸1094キログラムを混ぜた水を注入した。午前4時24分からは炉心スプレイ系からの注水量を毎時3.7立方メートルから6.7立方メートルに増やしたほか、給水系からの注水も6.8立方メートルに増やした。

  松本氏は、再臨界の可能性について放射性物質キセノン135が検出限界値の10分の1程度であることなどから「再臨界には達していない」と説明した。

  東電としては、原子炉の温度がおおむね100度以下で推移する「冷温停止状態」の判断を変えていないが、松本氏は「注水増量後の推移を1日程度観察したい」との方針を示した。

  松本氏は夕方の会見で、「冷却がきき始め、温度は頭打ちになっている」としながらも、「8日午前中まで様子を見たい」と述べた。ただなかなか温度が下がらない場合は注水量を増やす可能性があると示唆した。当面は元の50度程度までの低下を目指すという。

  野田佳彦首相は昨年12月16日、福島第一原発が冷温停止状態に入ったとし、事故収束に向けた工程表の「ステップ2」が終了したと宣言していた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 淡路毅 Takeshi Awaji tawaji@bloomberg.net

記事に関するエディターへの問い合わせ先:大久保 義人 Yoshito Okubo yokubo1@bloomberg.netシンガポール Alexander Kwiatkowski akwiatkowsk2@bloomberg.net

更新日時: 2012/02/07 18:20 JST

 
 
 
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