事件・事故・裁判

文字サイズ変更

福島第1原発:希望者全員にヨウ素剤…安全委が提言案

 原発事故発生時の被ばく対策見直しを検討している内閣府原子力安全委員会の分科会は7日、甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤を40歳以上でも希望すれば服用できるとの提言案を示した。

 従来は、40歳以上は必要がないとして対象を40歳未満としてきたが、最新の研究結果から40歳以上でも放射線ヨウ素による甲状腺被ばくの可能性が指摘されているため対象に含めた。今後改定する防災指針に、安定ヨウ素剤は原発から半径30キロ圏内の各家庭に事前配布することが有効との提案が盛り込まれる。

 また、分科会では、最も早く被ばく事故に対応し、現在は原発から2、3キロ以内で指定している初期被ばく医療機関を、原発から比較的離れた場所でも指定すべきだとの提言案も示された。東日本大震災で初期被ばく医療機関も避難対象となり、機能しなかった反省を踏まえた。

 また、分科会に出席した東京電力の産業医、菊地央(ひろし)医師が福島第1原発事故で復旧にあたる作業員約2000人が安定ヨウ素剤を服用したが、現時点で副作用が確認された人はいないと報告した。20錠以上服用した229人に健康診断を行ったところ、3人で一過性の甲状腺機能低下の疑いがあったが、原因は不明という。東電の手順書に従って昨年3月13日以降、全作業員を対象に配布。8月2日以降は線量の高い建屋内で原子炉注水などの作業にあたる作業員に年齢を問わず服用させた。【久野華代】

毎日新聞 2012年2月7日 22時51分(最終更新 2月7日 23時00分)

 

おすすめ情報

注目ブランド

特集企画

東海大学:健康に老いることを目指して抗加齢ドックに携わる。

現在の老化度を知り、今後の健康に役立てる

予防医学について聞く。

毎日jp共同企画