名古屋グランパスのストイコビッチ監督(46)が7日、「3バック」の本格導入に着手した。始動3日目にしてDF闘莉王、増川、ダニエルの3人を最終ラインに並べて実戦形式の練習を実施。指揮官が「攻撃的になる」と語る新布陣をオプションに加えることで、攻撃サッカーのレベルアップを目指す。
これぞ2012年バージョンの新布陣だ。GKを外し11対11で行われた変則の実戦形式練習で、前半の主力組は昨年通り阿部、増川、闘莉王、田中隼の4バックだったが、後半の最終ラインは左から増川、新加入のダニエル、闘莉王に変えた。阿部と田中隼の両サイドが高いポジションを取る3バックシステムだ。
ストイコビッチ監督が「戦術的な練習というより、守備の確認。トレーニングだよ」と苦笑したようにまだまだ試行錯誤の段階。とはいえ、両サイドを起点に崩す場面もあり、3バックの「形」はチラリと見えた。
阿部は「3バックだと状況に応じて高い位置も低い位置も取れる。サイドでの自由さは増す」と証言。増川は「ダニエルはスピードがあるいい選手。(3バックに)違和感はないし、いいオプションになる」と語った。
3バックはストイコビッチ監督があたためている“秘策”の一つだ。闘莉王、増川の鉄壁コンビに加えて、今季は身体能力の高いダニエルが加入。「一番のメリットは3人を併用できること」とピクシー監督。他チームがうらやむ強力な3人のセンターバックをフルに生かすことができる。
「3バックはとても攻撃的なオプション。開幕までにはまだ時間があるし、選手が理解できるようにやっていく」。9日からの別府キャンプで熟成度を高めていく方針。3バックが、V奪回を狙うグランパスの切り札となるか。 (木村尚公)
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