東京電力福島第1原発事故の放射性物質に汚染された清掃工場焼却灰の一時保管問題で、県は6日、一時保管場所として提案している手賀沼終末処理場(我孫子、印西市境)の周辺住民を対象に、早ければ今月中に説明会を開く方針を明らかにした。坂本森男副知事は「広域自治体としての県の責務として、住民の不安の払拭(ふっしょく)のために開く」と語り、問題解決に向けた強い意志を示した。
県はこの日、県に保管場所確保を要請している5市の市長と坂本副知事による会議を松戸市内で企画。5市長に出席を求めたが、我孫子、印西両市長は欠席し、副市長が代理出席した。
坂本氏は会議後の記者会見で「県としていろんな候補地を検討した中で、手賀沼処理場はスペース、管理のしやすさを考えると現時点でベストのプラン」と強調。説明会は県が主催し、灰を入れるテントの構造や住宅からの距離などを説明するという。「十分距離を置けば放射性物質の影響は減衰する」として、説明対象は我孫子、印西両市の全域ではなく周辺の住民だとした。
開催時期は「なるべく早く」とする一方「放射線は目に見えない。心配は当然で、責任を持って説明せねばならない。ある程度時間は必要」と話した。また住民説明会の前に両市議会、特に全会一致で受け入れ反対を決議している我孫子市議会への説明を考えていることを明らかにした。
両市の求めに応じて別の候補地を探している松戸、柏、流山3市については「各市の努力は継続していただく」とし、3市の保管場所からあふれた灰を同処理場で受け入れる考えを示した。
我孫子市の青木章副市長は会議後「手賀沼処理場案は容認できないが、説明会開催については市長と相談したい」と述べた。印西市の伊藤圭子副市長は「市長に報告する」とだけ話した。【早川健人、橋口正】
毎日新聞 2012年2月7日 地方版