M9クラスの超巨大東海地震が起きた場合、本州の太平洋沿岸部には、10~15mの大津波が押し寄せると想定される。東海地震の震源域の真上には、停止中とはいえ浜岡原発があるのは言うまでもない。加えて、東海地方を中心とした地域は、人口密度も経済規模も、東北地方よりさらに巨大だ。日本経済に及ぼす影響は、さらに甚大なレベルに達することが予想される。
大地震の後に本当の危機が
しかし、長尾氏はもしも東海地震が発生すれば、「破局的事態」は、それだけでは済まない可能性があると警告する。
「東海地震が起きた場合、かなりの高率で富士山が噴火するでしょう。日本における災害では、地震以上に火山の噴火が怖い。
たとえば、阿蘇山はかつて、破局的な大噴火を起こしていますが、もしそれが起きれば、九州の動植物はすべて絶滅します。火山の大噴火はそれほど恐ろしい被害をもたらすのです。
実は富士山は、人間にたとえると二十歳くらいの若い火山なのですよ。阪神・淡路大震災から東日本大震災と、日本列島全体が活動期に入ってきた中で、富士山も同じく活動期に入ったと見たほうがいい」
直近の富士山の噴火は、1707年のこと。この時は、まずM8・5級の「宝永地震」が発生し、その49日後に富士山が大噴火、宝永火口を形成した。
「活火山であるはずが300年も噴火しなかったこと自体、異常だと考えたほうがいい。東海地震後に富士山は間違いなく噴火すると考えるべきです。それは地震が起きた後、おそらく数十日~2年以内でしょう。
地震の揺れ自体は長くても3分程度で終わります。しかし、ひとたび富士山が噴火すれば、それが数ヵ月は続くことになる。火山灰により、飛行機の離発着が不可能になるなど、現代のエレクトロニクスはほとんど使えなくなる。経済的に見ても、いったいどれほどの被害が出るのか見当がつきません」
〝その時〟は確実に来る。そしてそれは、明日かもしれない。
「週刊現代」2012年1月21日号より
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