「相棒」を卒業することになった神戸尊役の及川光博(右)は杉下右京役の水谷豊と握手

テレビ朝日系の人気ドラマ「相棒」(水曜午後9時)で、現在放送中のシーズン10の最終回で、神戸尊役の及川光博(42)が番組を“卒業”することが7日、同局から発表された。及川はこれまで、水谷豊(59)演じる杉下右京の“相棒”として出演してきた。新しい相棒役は今後発表される。

「今シーズンをもって私、普通の及川光博に戻ります」。及川は水谷の愛妻が所属したキャンディーズの最後のあいさつを思わせるコメントで笑わせた。都内で行われた会見は水谷と及川の掛け合い漫才のようなトークが続いた。

及川は、寺脇康文(49)が演じた初代相棒・亀山薫の後を継ぎ、シーズン7最終回(09年3月18日放送)から登場。水谷が教師役を演じたドラマ「熱中時代」の大ファンだった及川にとって、念願の共演だった。「シーズン8の最終回で、右京さんに『ようこそ特命係へ』と言われた時はウルッと来ました」と印象的だったシーンを挙げ、「水谷さんが『みっちゃん、みっちゃん』って毎日呼んで下さった。その声を聞けなくなるのは寂しい。先生、ありがとうございました」と水谷に頭を下げた。

松本基弘ゼネラルプロデューサーは「お客さまにいつも新鮮な気持ちで楽しんでいただくことが我々のするべき最大のこと」と理由を説明。2年前の秋にシーズン10での交代を告げられた及川は「ざっくり言うと、その方が盛り上がりますから」と冗談めかした。3代目相棒には「大きなプレッシャーを抱えてやってくると思う。壁にぶち当たったら相談してきなよ、という気持ち」とエールを送った。

去りゆく相棒に水谷は「これから先の俳優人生にとって、何かプラスになっていたらいいなと思います」とし、「もし神戸尊が警察の中に残ったら、また登場することもあるのではと淡い思いも持っています」と再登場に期待を込めた。最終回の放送は3月中旬の予定。【今西孝江】

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