548、896、996---これらは'09~'11年の鹿児島県桜島の年間噴火回数だ。3年連続で観測史上最多の記録を更新している。まさに異常事態の桜島だが、年明けからはさらに加速し、1月26日夕方現在で162回もの小規模な噴火を起こしている。単純計算では年間記録が2200回を超えるペースなのだ。
桜島で何が起こっているのか。現地で観測を続けている京大防災研究所火山活動研究センター准教授の井口正人氏はこう解説する。
「蓄積したマグマ量が、大規模な噴火を起こした大正噴火時の約9割に達していると推定されます。そのときと同等の噴火が起こることを考える時期なのです」
1914年に起きた大正噴火は、20世紀の日本最大級の噴火だ。噴煙は高度1万mに達し、火山灰は関東・東北はもちろん、はるかカムチャッカまで飛散した。30億tの溶岩が噴出、鹿児島と桜島を地続きに変えた。この時点で死者は166人にのぼったが、鹿児島市内ではさらに地震が頻発。M7級の大地震も起こり171人が死傷している。
井口氏によると、この規模の噴火が起こる直前になれば、やはり体に感じる地震が群発するという。
「火山の活動によって起きる地震は、普通は弱くて、体に感じることはない。これが体感できる震度3~4になれば危ないのです」
不気味な活動を見せる琵琶湖、富士山、桜島。前出の佃氏は「日本全体が動き出した」という。次の大災害は、刻々と迫っているのかもしれない。
「週刊現代」2012年2月11日号より
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