放送中のテレビ朝日系ドラマ「相棒 season10」が最終回の撮影を前に7日、都内で記者会見を行い、水谷豊(59)演じる杉下右京の相棒・神戸尊を演じてきた俳優・及川光博(42)の卒業が発表された。3月放送のシーズン10最終回をもって卒業する。及川は「3年間演じてきた神戸が、特命係を卒業します」と報告。松本基弘ゼネラルプロデューサーが、「(視聴者に)いつも新鮮な気持ちで楽しんでいただくことが、我々のすべき最大のこと。あらゆる手段を使って楽しんでいただこうと思っている」と説明すると、及川も「ざっくり言うと、このほうが盛り上がるから、ですよね(笑)。非常に納得しました」とうなずいた。撮影には7ヵ月を要するため、歌手でもある及川はコンサートツアーのスケジュールを調整するなどしてきた。水谷は「犠牲にしてくるわけですよね。それをいつまでやってもらえるんだろうというのがありました。2年目でイヤだと言い出すんじゃないだろうかとか」と胸の内を明かし、「これでやっとまた歌手に戻るんだなと思った」。
「密度の濃い3年間だった」と声をそろえた2人は、実は“メル友”。水谷は及川からメールで、2人の不仲説が流れていることを知らされたと話し、「それだけ『相棒』が成長しているから、そういうこと言われるんじゃない?と話しました。そういう意味では、随分認知されたなと思いましたね」と笑った。
卒業が早すぎるのでは?との声に、及川は「3年って結構長い。学校を卒業する感覚ですかね。よく学び、よく遊び…卒業していきます」とすがすがしい表情。すると水谷が「じゃ、僕は留年が続いているという…」と絶妙なボケ(?)。さらに、及川が3年間を「楽しいことばかりじゃなかったけど…」と話したことに、水谷は「引っかかったんですよ」とツッコみ。及川が「スケジュールの大変さと、長台詞との格闘は大変なものがあった」と打ち明けると、水谷は「人間的なことじゃないんですね?」と念押し。及川は「人間的なことじゃないです」と笑いながら、「待ち時間に水谷さんとおしゃべりしたり、冗談を言い合ったりしているときは楽しかった」と話した。「(水谷は)先生のような存在。人生について語り合ったり、演技について教えてくださったり、大変勉強になりました。“みっちゃん”と呼んで下さったその声を聞けなくなるのはちょっぴり寂しい。先生、ありがとうございました」と感謝を述べた。
新相棒については、及川が「先輩として『壁にぶち当たったら相談してきなよ』という気持ち…でもすごい年上だったりして」とエール。水谷は、「みっちゃんの時も、意表を突いたんじゃないかと思う。次もまた意表を突くような方で」とリクエスト。ヒントとして「男性にするか、女性にするか…多数決の結果、男性になりました」と笑わせた。最終回の撮影に向け、水谷は「神戸が警察を辞めるのか、警視庁に戻るのか…どうなるんだろうという興味がある。もし残った場合にはまた登場するんじゃないかという、淡い思いも持っています。最終回は、神戸には心余すところなく、やってほしい」と話した。及川は「神戸尊は殉職でない限り『相棒』世界の中で生き続けていくと思っております」とし、「精いっぱい、悔いのないように撮影に臨みます」と力を込めた。