2012年2月7日10時24分
キャロルでのデビューから40周年を迎える矢沢永吉が今秋、記念ライブを開く。「大きなサンキューの気持ちを込める」。全国からファンが集まれるような、大規模なライブを考えている。
62歳。ステージに立ち続け、日本武道館での公演回数は計117回に達した。ただ、何が何でも成り上がろうとがむしゃらだった頃と比べ、年を重ねて肩の力が抜けてきたと感じている。
「一本道をダッと行くだけが生き方じゃない。周りの景色を見たり、立ち止まったりがあってもいい。それだけ、突っ走ってきたんだもの」
歌手としての引き際が、ふと頭をよぎることもある。「やめる時はやめる。フォーエバー歌えるわけじゃないんだから」。いつかその時がきたら、潔くマイクを置くつもりだ。
「最近、永ちゃんは弱くなった」と心配するファンもいる。だが、「60代になってもギンギン、ギラギラなだけの矢沢なんて悲しいでしょ?」。切なさも哀愁も、全部ひっくるめてロックなんだ。心からそう思えるようになった。
「丸くなったっていい。そんなロックがやれたら最高だよね」
そんな矢沢がいま、東京都内に複数のライブリハーサル用スタジオが入ったビルを建設している。2004年にも東京・赤坂にスタジオビルを造り、今回は2棟目だ。「若いヤツらが思いっきり音を出して練習できる場所が必要」と考えた。
CDの売り上げ低迷に加え、手軽に自宅録音できる機材の普及で、レコーディングスタジオの廃業が相次いでいる。一方でコンサート市場は拡大しており、リハーサルスタジオには需要があると思ったという。
「これからはライブがバッチリできるバンドしか生き残れない。音楽シーンを底上げして元気にしたい」(神庭亮介)