校内暴力:韓国政府が「一陣会」壊滅作戦を宣言

「校内暴力根絶総合対策」を発表、学校への専門家派遣も

 韓国政府が6日、校内暴力組織「一陣会」を壊滅させる、と宣言した。一陣会とは、学校内でけんかが強い生徒らからなる組織で、最近は勉強ができる生徒らも加入している。

 金滉植(キム・ファンシク)首相はこの日「校内暴力根絶総合対策」を発表し「学校ごとに一陣会のメンバーがどの程度活動してい るかを把握できる『一陣指標』を設定し、危険レベルにある学校には暴力対策の専門家を派遣する『一陣警報制度』を導入する」と発表した。

 1980年代までは校内暴力組織を「サークル」と呼んでいたが、90年代以降、生徒たちの間で「一陣」という用語が流行するようになった。日本の高校生の間で流行した暴力用語が、漫画などを通じて韓国に伝わったものと推定される。一陣会が登場してから約20年にして、政府が壊滅作戦に乗り出したというわけだ。

 一陣会は学校内の暴力組織の中で、最も高い地位にある集団だ。いじめの象徴とされる「パンシャトル(一陣会の強要により、パンを買いに行かせる行為)」や「宿題シャトル(宿題を代わりにやらせる)」「かばんシャトル(かばんを持たせる)」だけでなく、集団暴行や性的暴行なども一陣会のメンバーらによって行われている。

 政府は2005年にも「一陣会との戦争」を宣言した。だが、掛け声倒れに終わり、校内暴力の件数は年を追うごとに増加した。教育科学技術部(省に相当)の統計によると、校内暴力対策自治委員会で審議が行われた件数は、2005年には2518件だったが、10年には7823件と、5年間で3倍以上も増加したという。政府が「一陣会の壊滅」というスローガンを掲げたものの、具体的な対策は後手後手に回っていたというわけだ。

 政府はこのほど、7年ぶりに再び一陣会の壊滅を宣言したが、一陣会の現況については全く把握できていない。教育科学技術部と警察庁は「一陣会の規模は分からない」と話している。なお、現場の教師たちが推定する、全国の一陣会メンバーの数は20万-40万人とされる。

アン・ソクぺ記者
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