韓国で2001年に営業を開始し、09年に商標登録された日本式居酒屋フランチャイズの「WARAWARA」が、商標権をめぐる紛争で日本の大手居酒屋チェーン「笑笑」を経営するモンテローザに敗訴し、商標を変更せざるを得ない危機に直面している。この問題で、商標権を侵害されたとして先に問題提起に乗り出したのはモンテローザ側だった。
韓国のWARAWARAは01年にこの商標で営業を開始した。その後、国内で80店舗以上を展開するフランチャイズ企業として成長し、最近では「100大フランチャイズ」に選ばれるほど高い人気を集めていた。しかし日本の「笑笑」は10年1月、特許審判院(特許庁に相当)に対し商標登録無効審判を請求した。「笑笑」側の主張は、「笑笑」を訓読みすると韓国の「WARAWARA」と同じ発音になり、韓国側の商標にも日本語が併記されているため、韓国側が商標権を侵害したという内容だった。
特許審判院は、日本側の主張に有利な判決を下した。「韓国国内で日本語が広く普及しており、多くの消費者が二つの商標を同じく『わらわら』と読むと思われるため、先に商標登録した日本の業者に商標権がある」という判決理由が述べられた。韓国側はこれを不服として訴訟を起こしたが、裁判所も先月、日本側勝訴の判決を下した。
最近、商標権をめぐるトラブルが増加している中、海外ブランドと同じ名前だったという事実を後になって知り、商標を変更するというケースも増えている。
大法院(最高裁に相当)によると、2001年に728件だった特許訴訟は、08年には1449件と過去最高に達し、この3年間は毎年約1000件の訴訟が起きている。
その代表的なケースとして「ペナムコル(梨の木の谷)孔府家酒」が挙げられる。中国の「孔府家酒」は、孔氏の家で伝統的に作られていた酒で、1957年から中国の企業が中国政府の許可を得て製造を開始し、世界的にその名が知られるようになった。その後韓国の企業が2003年に「ペナムコル孔府家酒」という商標を登録し、10年以上にわたって使用してきた。ところが昨年11月、孔府家酒輸入業者の異議申し立てにより、特許審判院が商標登録無効の審判を下した。
問題は敗訴による打撃だ。長年営業を続けようやく世間に認められるようになった矢先に商標権侵害の審判を下され、商標を変更した場合、それまでの努力が水の泡となる。商標権専門のチョン弁理士(30)は「最近、海外の大手企業が相次いで韓国市場に進出している中で、商標権侵害にデリケートに反応している。そのため、韓国企業はこのような(商標権侵害)危険性に備えるべきだ」と話している。