高木マニア堂

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340:エアチェック熱が再燃するもFM雑誌はない…

ノンセクション2012年02月03日 10:37 | フォルダ : 

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<2011年11月=東スポ携帯サイトより>


 最近、約四半世紀ぶりに「エアチェック熱」が再燃し、早朝から新聞のラジオ欄とにらめっこするのが日課となっている。

 と、言うのもパソコンにて各ラジオ番組を簡単に予約録音できるスグレモノのソフトを入手。これによってパソコンのスイッチをONにさえしておけば、いとも簡単にラジオ番組が録音できてしまうのである。

 その昔、ラジカセで行っていたエアチェックのように、カセットテープの長さを気にすることもないし、長時間録音だって可能。録音の折り返し地点で、カセットを引っ繰り返す必要もない(オートリバースデッキの普及前は、こういった苦労があったのだ)。しかも、ラジオ局ごとにラジカセやチューナーのアンテナの向きなんかを気にしなくとも、どの局もクリアな音質で録音できちゃうのである。本当に便利な世の中になったものだ。

 ネット経由で各民放ラジオ局の番組をリアルタイムで聴ける「radiko」、NHKの第1、第2、FMの3局を聴ける「らじる★らじる」のサービス開始によって、ラジオはラジオ機だけでなく、パソコンやスマートフォンによっても聴けるメディアとなった。

 パソコンのコンテンツとなれば、誰かがそういった録音、編集ソフトを開発するのは自然の流れ。さらに便利度はアップするという相乗効果だ。

「radiko」や「らじる★らじる」経由で録音されるラジオ番組は、ノイズがないクリアな音質。しかもステレオ音声(※一部の局をのぞく)だ。クリアなステレオ音声で聴くAMの老舗番組「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBS)や「小沢昭一的こころ」(TBS)は、なんだか不思議な感じがする。

 そんな話を社内でしていたら、20代の記者が「エアチェックって何ですか?」とポツリ…。アレはやっぱり80年代までの文化なんだろうか?

 あの頃、高価なレコード盤なんて中高生にはなかなか手が出せないシロモノ。選びに選び、吟味に吟味を重ねた上で、お気に入りの一枚を手にしたモノ。音楽を手に入れる最も有効な手段が、音質の良いFM放送のエアチェックだった。

 FM放送の番組で、どんな曲が流されるのか? その情報を入手する
のは新聞のラジオ欄ではなく、幾多も存在したFM雑誌だった。

 国内のFM放送がスタートした70年代から80年代にかけて、詳細番組表をウリとするFM雑誌が次から次へと創刊。「週刊FM」(音楽之友社)、「FMレコパル」(小学館)、「FM Fan」(共同通信社)、「FM STATION」(ダイヤモンド社)、ほんの一瞬だけ「FM三丁目」なんて雑誌も存在していた記憶もある。一時期は情報誌「ぴあ」にもFM局の詳細番組表が掲載されていたものだ。

 増えるFM雑誌数とは裏腹に、FM局その物の数はまだ少なかった。当時、私が住んでいた神奈川県川崎市付近で受信可能なFM局はNHKとFM東京と、わずかに2局!

 地域密着型のコミュニティーFM局なんて、夢また夢の話。FM雑誌で目にする「海の向こうのアメリカには星の数ほどFM局がある」なんて情報も、おとぎ話にしか聞こえなかったものだ。 

 昭和も60年代に入った頃から、2局しか受信できなかったFM局に、放送大学が加わり(これはエアチェックの対象外だ)、続けてFM横浜、FM富士、J―WAVE、NACK5、ベイFM、インターFMなどが続々と参入。

 皮肉なことに、その頃からFM雑誌も衰退して行くことになる。これには「売り上げが落ちていたから」という説と、「放送技術の進化によってFM局も生放送が主体となり、あらかじめ曲目、曲順まで明記した詳細番組表の作成が困難になった」という二説が存在する。

 エアチェック熱が再燃したものの、頼みの綱のFM雑誌はない…。今ではNHK局のみが掲載される週刊誌「ステラ」があるのみ。各局HP
で調べる手段はあるのだが、こればかりは競馬などの出走表と一緒で、紙面や誌面でパッと一瞬で見られるアナログ的な物のほうが便利なんだよなぁ。

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