「TOEIC問題漏えい、韓国人の意識が問題」

TOEICを主管するYBMのミン代表、問題漏えいに苦言

 「顔を上げられないほど恥ずかしい。米国ETSは、韓国のことを『グローバルスタンダード』にふさわしい試験を受けられない国だと考えている」

 韓国で実施されているTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)試験を主管するYBM時事のミン・ソンシク代表(53)=写真=は6日「韓国の学生たちがTOEICの試験問題を暗記して他の人に教えることを大したことだと思っていないのは問題だ」としてこのように話した。ベトナム出張中にインターネットを通じ、ハッカーズ教育グループによるTOEIC試験問題漏えいのニュースを知ったミン代表は「このような(低い)レベルだとは思わなかった。すぐに対策準備に取り掛かる」と述べた。

 ミン代表は「韓国でTOEIC問題の漏えいが相次いでいるため、ETS(米国教育評価院)側は、毎月新たな試験問題を作成している」と話した。通常TOEICやSAT(米国大学進学適正試験)など、ETSが実施する試験は問題バンクから問題を抽出して試験を行っている。全世界で実施される試験であり、毎回全ての問題を新たに作成するのが難しいためだ。ミン代表は「韓国では、英語の実力ではなく、ヤマを当てた講義を受けたかどうかによって成績が左右されるという、歪んだ状況が繰り広げられている」と話した。

 ミン代表はさらに「1-2年に1回、米国で開催される全世界ETSライセンス代表者会議では、TOEICとSAT試験の漏えいや盗用の事例など、著作権問題が論議される。その際に韓国が名指しで指摘されるわけではないが、2010年にSAT問題漏えい事件やTOEIC試験の著作権問題などがあったため、常に注目される。恥ずかしいことだ」と話した。

 ミン代表は、このような状況を改善するために最も重要なこととして、試験に対する韓国人の意識改善が必要だと指摘した。また「自分の英語の実力に対する評価を受けるために勉強して試験を受けるのであって、単に高い点数を取るために試験を受けるものと考えてはいけない」と指摘した。

 さらに「国際基準に合った厳しい著作権法が施行されるべきだ」とも主張した。試験問題をそのまま流用して問題集を作成し、販売したり講義を行ったりする行為を、著作権法によって厳しく処罰すべきだという意味だ。ミン代表は「過去に出題された問題を復元する方法で試験問題を流出させるような行為は、韓国より(経済的に)発展が遅れている国でも行われていない」と苦言を呈した。

カン・ドンチョル記者
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